2023 Fiscal Year Annual Research Report
超高齢社会に寄与する新規医・工学融合型インプラント表面性状の構築と戦略的治療応用
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20K10082
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
武部 純 愛知学院大学, 歯学部, 教授 (50295995)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒田 健介 名古屋大学, 未来社会創造機構, 特任教授 (00283408)
本田 雅規 愛知学院大学, 歯学部, 教授 (70361623)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 歯科補綴学 / 歯髄幹細胞 / 新生骨形成 / 純チタンインプラント / 表面処理 / アルブミン / 陽極酸化水熱理チタン / 傾斜機能型ナノハイブリッドチタンインプラント |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度では、in vitro実験により得られたアルブミン(Alb)至適濃度(25mg/mL)を使用して、SA処理cpTi表面上にAlb吸着・固定化処理を施し(Alb処理/SAcpTi)、in vivo実験を実施した。11週齢雄性SDラット頭頂骨の左右にインプラント試料(直径4.1mm、厚さ0.1mm)移植のための窩洞を形成後、左側にAlb未処理/SAcpTi、右側にAlb処理/SAcpTiを埋入した。埋入後、1週、2週、3週、4週間ごとにμCTによるインプラント周囲の硬組織形成状態を観察・分析した。埋入4週間後にインプラント試料を含む周囲組織を採取した。μCTによる観察の結果、Alb未処理/SAcpTi、Alb処理/SAcpTi表面の多くの部位に硬組織(骨様不透過像)の形成が認められ、さらにAlb処理/SAcpTi表面上では試料表面に沿って連続的に硬組織の形成が確認された。一方、Alb未処理/SAcpTi、Alb処理/SAcpTiを含む周囲組織を採取し組織切片を作成後、Villanueva Goldner染色とToluidine Blue O染色による観察を行った結果、両試料表面では既存骨と離れた部位においても類骨、新生骨の形成が確認された。さらに、Alb処理/SAcpTi表面上では試料表面に沿って類骨や幼若骨の形成、新生骨の形成が連続的に確認された。この現象は、SA処理により形成されたHA結晶を含むナノ構造を有する陽極酸化被膜の物理化学的な表面性状の他に、SA処理表面上に吸着・固定化処理を施したAlbの相乗作用により骨形成作用の効果が発揮されたと推察される。したがって、SAcpTi表面上へのAlb吸着・固定化処理法は、新生骨形成の促進に有効であることが示唆された。
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Research Products
(4 results)