2020 Fiscal Year Research-status Report
閉塞性睡眠時無呼吸の病態からみる舌位置制御の臨床的意義:ランダム化比較試験
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20K10085
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Research Institution | Neuropsychiatric Research Institute |
Principal Investigator |
福田 竜弥 公益財団法人神経研究所, 研究部, 研究員 (90624833)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武井 洋一郎 公益財団法人神経研究所, 研究部, 研究員 (60778992)
幸塚 裕也 昭和大学, 歯学部, 助教 (50623724)
對木 悟 公益財団法人神経研究所, 研究部, 研究員 (90376765)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 閉塞性睡眠時無呼吸 / 口腔内装置 / 口腔内陰圧療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
現在、閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)に対する治療第一選択である持続陽圧呼吸(CPAP)と、第二選択である下顎前方移動型の口腔内装置が世界的に普及している。CPAP の有効性は高いもののアドヒアランスが常に議論されてきた。一方、口腔内装置の治療効果はCPAP に劣るものの簡便性に優れ、CPAP 脱落者への対応も可能である。このため、OSA臨床における歯科の役割が注目されている。しかし口腔内装置使用時、下顎前方移動に伴う歯への負担により、長期使用に伴う咬合の不可逆的変化が約80%の患者にみられる。また、口腔内装置は下顎を前方に移動し、歯に維持を求めるため、顎関節症患者、さらには歯周疾患や歯列欠損を有する高齢OSA患者に対し用いることはできない。したがって、国内外において、患者・医療提供者の両サイドから、従来型OSA治療法に替わる打開策が切望されてきた。我々はOSAに対し、CPAPや下顎前方移動型口腔内装置と異なる第3の治療法を考案した。この新規治療法は、睡眠時に舌を吸引保持することにより上気道を確保する治療法であり、口腔部分、吸引装置、両者をコネクトするチューブの三つのパーツから構成される。国外において類似デバイスが散見されるが、その治療効果もアドヒアランスも限定的である。我々は、考案した装置の実用化を視野に入れ、本研究ではその治療効果を無作為化比較試験により検証することを目的とする。研究プロトコールの機関内倫理委員会での承認後、臨床試験登録が終了し、前向きサンプリングを開始する予定であった。しかし、国内においてもCOVID-19感染が蔓延し、協力機関において新規サンプルのリクルートが極めて困難な状況が続き、さらに、研究協力機関の当該研究が関連する部門が、今年度末に閉鎖された。このためサンプリングは事実上中断となり、現在、他の研究協力機関において当該研究を継続するための準備を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
COVID-19感染蔓延と関東圏における緊急事態宣言発出により、研究協力機関において新規サンプルのリクルートが極めて困難な状況が今年度当初より続いたうえ、今年度末には研究協力機関の当該研究が関連する部門が閉鎖され、サンプリングが事実上中断されているため。
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Strategy for Future Research Activity |
他の研究協力機関で当該研究を継続するための準備をすすめる。研究プロトコールを一部簡素化する。
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Causes of Carryover |
COVID-19感染蔓延により、当初予定していた国内外での成果公表や意見交換など必要な学術活動が大きく制限されたため、また、研究協力機関において新規サンプルのリクルートが極めて困難な状況が今年度当初より続き、今年度末には研究協力機関の当該研究が関連する部門が閉鎖され、サンプリングが中断されているため。他の研究協力機関で当該研究を継続するための準備をすすめる。
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