2020 Fiscal Year Research-status Report
口腔癌の化学療法誘発口腔粘膜炎に伴う顎骨露出メカニズムの解明
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20K10088
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
久保田 耕世 弘前大学, 医学部附属病院, 講師 (10529689)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松宮 朋穂 弘前大学, 医学研究科, 助教 (30344592)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 口腔粘膜炎 / がん関連線維芽細胞 / 遺伝子 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和2年度研究計画に従い口腔癌由来がん関連線維芽細胞モデルの作成を行った。まず、歯肉癌由来のがん関連線維芽細胞のモデルを作成することとし、Ca9-22(歯肉癌)を使用し正常歯肉線維芽細胞と共培養ディッシュで1週間共培養を行い、Ca9-22由来がん関連線維芽細胞モデル(CAFモデル)を作成した。CAFモデルを作成した後に、total RNA抽出を行い、cDNAを作成した。その後定量RT-PCRを行い、これまでの研究者の研究成果を踏まえα-SMA,COX-2, MMP-1,MMP-2についてmRNAの発現を解析した。その結果、がん関連線維芽細胞のマーカーであるα-SMA mRNAの発現が上昇していた。また、炎症に関連するCOX-2のmRNA発現上昇、がんの浸潤・転移に関与するマトリクスメタロプロテイナーゼのMMP-1,MMP-2 のmRNA発現が上昇していた。ここで癌微小環境における歯肉がんと線維芽細胞の細胞間の相互作用を検索するため、Ca9-22と歯肉線維芽細胞の1週間の共培養の際にTGF-β抗体を添加したところ、通常の共培養で発現が上昇していたα-SMA ,COX-2,MMP-1,MMP-2 のmRNA発現が抑制された。このことからTGF-βが癌微小環境におけるがん細胞と間質の歯肉線維芽細胞の相互作用において重要な役割を担っていることが示唆された。また、がん関連線維芽細胞においてもがんの浸潤・転移に重要と考えられているMMPsが強く発現していることがわかった。今後、がん関連線維芽細胞のMMPs発現機序におけるTGF-βの役割ついてもさらなる解析を行いたいと考えている。これらの結果を踏まえ研究計画に従い、令和3年度も計画を進めていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度の緊急事態宣言等の政府からの新型コロナウイルス対策の要請に応じ、研究が遂行できなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画に従い、研究を進める予定である。昨年度の研究結果を踏まえて、舌癌細胞でのがん関連線維芽細胞モデルを作成し、検討していきたいと考えている。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス対策のため、当初の研究が遅れてしまい次年度使用額が生じた。次年度の物品費に使用する予定である。
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Research Products
(1 results)