2020 Fiscal Year Research-status Report
Development of image diagnostic criteria for estimating budding grade and WPOI-5 in the oral cancer
Project/Area Number |
20K10108
|
Research Institution | Fukuoka Dental College |
Principal Investigator |
湯浅 賢治 福岡歯科大学, 口腔歯学部, 客員教授 (40136510)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
香川 豊宏 福岡歯科大学, 口腔歯学部, 教授 (00258592)
稲冨 大介 福岡歯科大学, 口腔歯学部, 診療放射線技師 (00454934)
大野 純 福岡歯科大学, 口腔歯学部, 教授 (10152208)
筑井 朋子 (白石朋子) 福岡歯科大学, 口腔歯学部, 講師 (80580472)
吉田 祥子 福岡歯科大学, 口腔歯学部, 助教 (90780635)
横尾 嘉宣 福岡歯科大学, 口腔歯学部, 助教 (10846413)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 口腔癌 / 蔟出 / 病理組織学的悪性度 / 超音波検査 / CT / MRI |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は超音波検査、CT検査およびMRI検査の画像所見より口腔癌深部先端部の組織学的悪性度を推測する画像診断基準を構築することである。組織学的悪性度の指標として蔟出の程度を用いた。蔟出が多いと周囲組織の炎症が誘発されとの仮説をたて、画像検査種類による炎症範囲の反映の違いを利用することにより、種々の画像所見を比較することにより蔟出の程度を推測できるのはないかと解析を行った。本年の解析で対象としたのは舌癌患者21例であった。 先ず、蔟出の程度と炎症範囲との相関について、病理組織学的に分析を行った。中心腫瘍範囲(a)と腫瘍周囲の炎症を含めた外枠範囲(b)として、b/a、(b-a)/a、bとaとの差の平均値と蔟出の数との相関を解析した。それぞれの相関係数は0.44, 0.60, 0.88であり強い相関を示した。故に、腫瘍周囲の炎症範囲は蔟出の数を反映しているとの結果を得た。中でもaとbとの距離が最も強い相関を示すことから、今後の病理組織像の解析をaとbとの距離を求めることとし、手作業ではなく自動的に距離の計測を行うアプリの開発を行った。現在、開発したアプリの試用を行い、brush upを行っている。 画像解析は超音波画像、造影CT画像、MRIのSTIR画像および造影MRIのT1強調画像における腫瘍の厚みとDepth of invasion(DOI)の計測を行った。腫瘍周囲の炎症所見を強くは反映しないと考えられる超音波画像上の計測値と腫瘍周囲の炎症所見を強く反映すると考えられる造影CTおよび造影MRI画像上の計測値と比較を行っているところである。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究の進捗状況は当初の計画よりやや遅れている。遅れている理由は、病理組織上における中心腫瘍範囲と炎症を含めた外枠範囲との距離を自動的かつ正確に計測するアプリの開発に時間を要したことと病理組織学的解析を行う上で意見交換を行う予定であった他大学の研究者がコロナ感染症蔓延に伴い多忙となったことや対面しての意見交換の場を十分に持てなかったことによる。 ただし、上記したアプリも試用できるまでになり、brush upを行っている状況であり、今後は分析が進んでゆくものと考える。また、他大学の研究者との意見交換もインターネットを用いての話し合いも軌道に乗ってきたので、この点においても研究の遅れの原因が解決に向かっている。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は、開発したアプリによる正確な中心腫瘍範囲と炎症を含めた外枠範囲との距離の計測を行い、その分析結果と超音波画像、造影CT、造影MRI画像上で計測した腫瘍の厚みおよびDOIとの比較を行い、蔟出の程度を推測する診断基準を見いだすための解析を行ったゆく。 また、画像上における腫瘍の厚みやDOIのみならず、MRIによる腫瘍周囲のADC値や血流動態所見の解析を行い、より多角的にみた診断基準の構築を目指してゆく。
|
Causes of Carryover |
コロナ感染症蔓延のために学会に出席ができなかったことや専門家の意見を聞くために他大学を訪問することができず旅費が消化できなかったことによる。また、病理組織の解析は予備実験的要素があったため、本格的に解析を行うための物品を購入しなかったことにもよる。 次年度は、コロナ感染症の状況を見ながら、積極的に学会参加および専門家の意見をきくことを計画している。また、予備的実験の結果が本研究の仮説を支持するものであったので、当初予定の物品を購入してゆく予定である。
|