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2021 Fiscal Year Research-status Report

唾液腺幹細胞を用いた新規器官再生法の確立と臨床応用

Research Project

Project/Area Number 20K10129
Research InstitutionFukuoka Dental College

Principal Investigator

平木 昭光  福岡歯科大学, 口腔歯学部, 教授 (60404034)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 吉本 尚平  福岡歯科大学, 口腔歯学部, 講師 (70780188)
Project Period (FY) 2020-04-01 – 2023-03-31
Keywords唾液腺 / 再生 / 分化
Outline of Annual Research Achievements

本研究では成体マウスの唾液腺を用いて、形態や機能を獲得できる分化誘導が可能な幹細胞を樹立し、これを幹細胞のソースとして唾液腺の器官再生法の確立を目指している。さらに、その再生器官の移植による生体の唾液腺再生法の構築を目的としている。
2020年度は8週齢のC57BL/6Jマウスから顎下腺を摘出して細切し、プラスチックディッシュ上に付着させた後に低Ca(0.2mM)無血清 MCDB153/DMEM培地を加えて培養し、唾液腺幹細胞を分離した。その細胞はPan-CKとE-cadherin、CK-18、CK-19は陽性で、AQ5、Amylase、α-SMAは陰性であった。Ca濃度を上昇させることにより、唾液腺固有の機能が確認された。
2021年度は成体マウスから顎下腺を摘出し、1mm以下に細切した後にコラゲナーゼ typeIIとヒアルロニダーゼが入ったMEMで2時間処理を行った。回収した細胞をMatrigelTM-growth factor reduced で被覆したプラスチックプレート上でDMEM/F12にEGFやFGF10などの因子を加えた培養液にて培養し、オルガノイドの周囲に発生した細胞を分離した。その細胞の多くがp63に陽性を示し、αSMA陽性細胞が散見され、AQ5はほとんどが陰性を示した。このことより、この分離細胞群には多くの幹細胞や一部筋上皮細胞に分化した細胞が含まれている可能性が示唆された。このオルガノイド組織は唾液腺の機能を一部獲得する分化誘導が確認されており、今後、このオルガノイド分離細胞の分析や分化誘導因子の検索を行い、2次元分化誘導と3次元器官再生を行う予定である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

2021年度の研究実施計画は予定通り遂行中である。もし、3次元分化誘導実験が進展しない場合、2021年度に分離した細胞を用いて同実験を行う予定である。

Strategy for Future Research Activity

オルガノイドからの唾液腺幹細胞の分離・培養と細胞特性の追加解析: 幹細胞の関連マーカーであるc-kit, Sca1, Sox2の発現を確認する。また、sphere形成能の検証として、スフィアアッセイを行う予定である。 また、Pan-CK、E-cadherin、CK-18、CK-19、AQ5、Amylase、α-SMAの発現を解析し、細胞特性を解析する。
オルガノイドからの唾液腺幹細胞の2次元分化誘導: 高Ca濃度培地、細胞外基質(フィブロネクチン、ラミニン、IV型コラーゲン)、成長因子(FGF、 HGF,唾液腺周囲由来の線維芽細胞培養上清)を作用させ、以下の評価を行う。i) 形態学的評価(実験法:位相差顕微鏡、電子顕微鏡)a.腺様構造(分枝の数・長さ)の測定 b.腺房構造(分泌顆粒、ゴルジ装置)の確認、 ii) 機能的評価(実験法:免疫染色、ウエスタンブロッティング、RT-PCR)
唾液腺幹細胞を用いた3次元器官再生:培養液は高Ca無血清 培地と霊長類ES/iPS細胞用培地、スキャフォールドは3%メチルセルロース培地とマトリゲルの2種類を使用する。最も誘導を促進する細胞外基質で唾液腺幹細胞の混濁液を作成してスキャフォールド内に埋入し、誘導を促進する液性因子を培養液に添加・刺激し、3次元に器官再生を誘導する。器官再生の評価項目は唾液腺の発生過程の再現と、各種唾液腺マーカーの発現をタンパク、遺伝子レベルで発現を確認する。
もし、3次元分化誘導実験が進展しない場合、オルガノノイドから分離した細胞を用いて同実験を行う予定である。

Causes of Carryover

(理由)抗体等の試薬が納期が間に合わなかったため、次年度使用額が生じた。
(使用計画)今年度の研究計画において使用する予定である。

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Published: 2022-12-28  

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