2021 Fiscal Year Research-status Report
標的指向性マイクロバブルと金属ナノ粒子及び低出力超音波を用いた口腔癌治療法の確立
Project/Area Number |
20K10131
|
Research Institution | Kyushu Dental College |
Principal Investigator |
岩永 賢二郎 九州歯科大学, 歯学部, 講師 (20448484)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丹田 奈緒子 東北大学, 大学病院, 助教 (00422121)
小関 健由 東北大学, 歯学研究科, 教授 (80291128)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | ソノポレーション / マイクロバブル / 癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
抗体修飾マイクロバブルと超音波の併用による抗癌剤導入法の有効性の解析:抗体修飾マイクロバブルの作製は、既にプロトコール化されている。同法によるブレオマイシンの導入後、培養48時間後にWST-8による生細胞数の評価を行ったところ、BLM単独群やマイクロバブルを使用したBLM導入群、またIgG修飾マイクロバブルを使用したBLM導入群では、そこまで細胞数の減少は認められなかったが、抗EGFR抗体修飾マイクロバブルを併用したBLM導入群では有意に生細胞数が減少した。 また,一般的な2次元培養下の細胞は組織環境が生体内と大きく乖離している。口腔癌細胞においても薬剤に対する感受性や増殖様式は生体内の挙動が異なると考えられる。細胞同士が凝集した球状の集合体(スフェロイド)を大量に作製可能なデバイスを用いて、口腔癌組織の環境を模倣した3次元培養を行い、同法による癌治療の開発に生かせないか検討した。HSC-3とCa9-22をそれぞれ培養し、非接着処理を施したマイクロウェルチップ上に播種した。形成されたスフェロイドの形態観察と直径の計測およびPCRによる遺伝子発現の解析を行った。デバイス上に播種したHSC-3とCa9-22は、培養5日目にかけて徐々に凝集し、直径も短縮化した。また、幹細胞マーカーのCD44・Oct4・Nanog・Sox2と低酸素性マーカーVEGFの発現量は、スフェロイド群では2次元培養群と比較していずれも亢進していることが確認された。LIVE/DEAD染色では培養5日目においても、スフェロイド内部は生細胞を主体に構成されていることが示された。回収したスフェロイドは2次元培養下で定着・増殖し、幹細胞マーカーの発現は維持されていた。専用デバイスを用いた口腔癌スフェロイドは生態環境に近い培養法であることが示唆された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2020年10月に東北大学から九州歯科大学への所属研究機関の変更があり、やや遅れている
|
Strategy for Future Research Activity |
所属研究機関の変更はあったが、設備や環境は整っており、研究遂行には問題なし
|
Causes of Carryover |
2020年10月に東北大学から九州歯科大学への所属機関の変更があり、研究計画がやや遅れており、それに伴い次年度使用額が生じた。研究の環境、設備は整っており、研究を進める予定
|