2020 Fiscal Year Research-status Report
唾液中の炎症サイトカイン測定による新しいインプラント予後評価法の開発
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20K10153
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
石川 誠 北海道大学, 大学病院, 准教授 (10202970)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北川 善政 北海道大学, 歯学研究院, 教授 (00224957)
大賀 則孝 北海道大学, 歯学研究院, 助教 (40548202)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 唾液 / インプラント周囲炎 |
Outline of Annual Research Achievements |
Cytometric bead array(CBA法)はフローサイトメトリーを用いた解析法で、体液中のサイトカインを高感度かつ安定して測定できる方法として注目されてきている。我々は、予備的検討唾液中のサイトカインがCBA法により解析可能かを検討した。 北海道大学病院口腔内科、口腔インプラント科を受診したインプラント埋入後患者、口腔カンジダ症の患者から採取した唾液を用いて予備的検討としての唾液中のサイトカイン量を測定した(本学自主臨床研究委員会にて研究計画を申請済み)。実際の測定にあたっては、200μlの唾液と1ml血液から同時に7種類の分子を検索できるBD社製のCBA kitを使用し, IFN-γ, TNF-α, IL-4, 5, 6, 10, 17Aを計測した。濃度既知のstandard希釈液から算出したstandard curveをもとにサンプルの蛍光強度をフローサイトメーターFACS Aria-2を用いて計測後、FCAP Array softwareにてサイトカインの濃度を比較・解析した結果、以下のことがわかった。①唾液中のサイトカイン濃度は血液に比べ高い傾向であった、②血液では検出感度以下のサンプルも多く観察された、③CBA法はごく小量のサンプルで複数のサイトカインを同時かつ短時間に測定することが可能である。上記の予備的検討を踏まえて、インプラント埋入患者の唾液を用いたCBA解析を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
FACS aria-2の故障があり、実験が円滑に進まない時期があった。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度から本格的にインプラント埋入患者の唾液を用いたCBA解析を行う予定である。また過去10年間に当院でインプラントを埋入した患者および他院からの紹介患者の臨床データを再度整理しする。 具体的には①臨床的に早期(埋入後2年以内)にインプラント周囲炎になった患者群(他院で埋入後、当科受診した患者を含む)と②インプラント周囲炎に罹患していない群(来院の主訴がインプラント関連ではないがインプラント埋入が認められ、唾液採取の同意が得られた症例)の臨床的パラメーターを評価する。 評価項目は以下である。診査時年齢、性別、既往歴の有無、歯周ポケット、bleedingの有無、喫煙の有無、インプラント埋入本数、感染インプラント体周囲のプロービングデプス値、インプラント周囲炎罹患期間。
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Causes of Carryover |
当初の予定額から残額が発生したため次年度に使用する予定。
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