2021 Fiscal Year Annual Research Report
唾液中の炎症サイトカイン測定による新しいインプラント予後評価法の開発
Project/Area Number |
20K10153
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
石川 誠 北海道大学, 大学病院, 准教授 (10202970)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北川 善政 北海道大学, 歯学研究院, 教授 (00224957)
大賀 則孝 北海道大学, 歯学研究院, 助教 (40548202)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | Cytometric beads array / 炎症性サイトカイン / 免疫細胞分画 / CD45陽性細胞 / IL-17 |
Outline of Annual Research Achievements |
インプラント周囲炎患者と非インプラント周囲炎患者の分子生物学的差異を比較解析するために①唾液中の炎症サイトカイン測定と②唾液中の免疫細胞の分画解析を行い、統合的にインプラント周囲炎のリスクファクターを探索するの本研究の目的であった。インプラント周囲炎の分子生物学的リスクファクターから予防の確立にむけた基盤的研究を行った。 当研究グループでは本研究でまず予備的検討として、健常者と口腔内科疾患(口腔カンジダ症)患者の唾液と血液の炎症性サイトカイン濃度とCD45陽性免疫細胞の解析方法を行い、測定方法を確立できた。 炎症性サイトカインの測定については、実際には200μLの唾液と1mLの血液から同時に7種類の分子を検索できるBD社製のCBA kitを使用した。この方法では7つの炎症性サイトカイン濃度(IFN-γ, TNF-α, IL-4, 5, 6, 10, 17A) を同時に計測可能であった。濃度既知の希釈液から算出した標準曲線をもとに、試料の蛍光強度をフローサイトメーター(FACS Aria-2) を用いて計測した。口腔カンジダ症患者14名の検討ではIL-17のサイトカイン濃度が低下していることがわかった。このことからインプラント予後不良患者でIL-17濃度が低下している可能性もあり、現在検討中である。 また加えて、当研究グループでは健常者10名の唾液と血液のCD3陽性細胞、CD4陽性細胞、CD45陽性免疫細胞の免疫分画の解析を行った。これらの細胞は実際には200μLの唾液と1mLの血液から同時から解析可能であった。CD3、CD4陽性細胞は割合は少なかったが検出可能であった。さらに健常者の検体中の唾液中のCD45陽性細胞の割合は経年齢的に増える傾向になった。今後インプラント埋入患者の唾液検体を増やして、免疫視細胞の割合のさらなる検討をすすめていきたい。
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