2020 Fiscal Year Research-status Report
低酸素誘導因子を標的とした放射線耐性口腔癌新規治療戦略の確立に向けて
Project/Area Number |
20K10165
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
宮腰 昌明 鹿児島大学, 医歯学域鹿児島大学病院, 講師 (90614933)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北川 善政 北海道大学, 歯学研究院, 教授 (00224957)
犬童 寛子 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 准教授 (00301391)
伊藤 紘 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 助教 (80793934)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 低酸素 / 口腔癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
癌組織において検出される低酸素環境は、低酸素誘導因子HIF1を主体としたシグナル経路を活性化、腫瘍の代謝活性を亢進し、治療抵抗性に関わる事で患者の生命予後に重大なインパクトを与える。現在、低酸素状態改善を目指した研究が世界中で進行中だが有効な治療方法の確立には至っていない。 これまでわれわれは腫瘍特異的で低酸素非依存的なHIF1活性化による代謝活性亢進およびリンパ節を主体とした転移巣形成への関与を証明してきたが、放射線治療抵抗性への関与に関しては未だ不明な点が多く、やはり治療応用への道は遠い。 一方でこのHIF1活性化は腫瘍特異性が非常に高いことから安全性を高い次元で両立した革新的な癌治療に直結する可能性が高い。本研究では全人類の悲願である癌征圧を念頭に、治療応用を最終目標として、臨床に直結した背景となる学術的基盤の確立を目指す。 昨今の社会情勢から共同研究、学会活動が強く影響を受ける中、当初計画にそった研究に着手できておらず情報収集が主体となる研究活動となっている。現時点での社会情勢を鑑みると早期の事態収束は困難と考えざるを得ないとの判断に至り、研究計画本幹に関わる修正変更は予定しないが、単独施設で開始、進行の可能な範囲で臨床データ蓄積および培養実験を主体とした研究内容を先行して開始することを優先して進めていく。早期に本研究計画の本来のスケジュールに戻れることへの期待を込め、研究計画の調整は随時行っていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
世界的な社会情勢から共同研究、学会活動が強く制限されており、当初予定にそった研究は開始できていない。昨年度は実験室レベルでの研究活動にも制限を要する状況で、実情として文献を主体とした情報収集のみが可能な情勢であった。現時点では十分な事前準備のもとで個々の研究活動に関し、再開可能なものがある程度明確化してきた。 本年度は研究室内での実験を開始し、データ蓄積を主体とた研究活動を継続し、国内外における社会的な活動が再開する中で本来の研究計画に戻れる情勢となるのを期待したい。
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Strategy for Future Research Activity |
・情報収集の継続 文献を主体とした情報収集のみが可能であったが、オンライン開催等の学会活動再開を主体として情報収集活動を継続する。 ・研究室レベルでの実験を開始 現状の社会情勢から直近の国内共同研究開始に関しては困難な状況が予想されるが、単独施設での研究活動に関しては一定程度、見通せる状況であり、直近での培養実験開始を予定している。 ・臨床研究開始 臨床研究に関しても少なからず社会情勢の影響が不可避と思われるが、単独施設における症例情報収集に関しては可能なものから着手していきたい。
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Causes of Carryover |
(理由) 社会情勢から共同研究、学会活動および研究室における研究活動も強く制限される状況であったことに起因します。 新規購入予定であった機器・備品の購入を含め次年度繰り越しとなったが計画内容自体に変更はありませんので、研究期間を通しての予算規模変更は予定していません。
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