2020 Fiscal Year Research-status Report
心理的ストレスが咀嚼筋痛を慢性化するメカニズムの解明
Project/Area Number |
20K10167
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Research Institution | Kyushu Dental College |
Principal Investigator |
左合 徹平 九州歯科大学, 歯学部, 助教 (80710574)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
椎葉 俊司 九州歯科大学, 歯学部, 准教授 (20285472)
小野 堅太郎 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (40316154)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 慢性疼痛 / ストレス |
Outline of Annual Research Achievements |
心理的ストレス負荷にはJuarez-Rojasらが以前に報告した(Sysy Biol Reprod Med, 2015)拘束水浸ストレスを用いた。6週齢雌性Sprague-Dawleyラットに拘束水浸ストレス(拘束ケースに固定し、胸骨中央部まで20℃の水に3時間/日浸す)を7日間連続して負荷した。実験的咀嚼筋痛はSvenssonらが以前に報告した(Pain, 2010)方法を用いた。6週齢雌性Sprague-Dawleyラットに三種混合麻酔を行い、左側咬筋に3G注射針を用いて神経栄養因子(NGF)を40μg注入した。対照群には生理食塩水を注入した。 実験群は4群(MP群;咀嚼筋痛群、s-MP群;心理的ストレス負荷咀嚼筋痛群、Sham群;咀嚼筋痛対照群、s-Sham群;心理的ストレス負荷対照群)を作製し、疼痛関連行動を計測した。心理的ストレス負荷はNGFまたは生理食塩水の注入7日前から行った。 各モデルラット作製後1、3、5、7日後にプラスチックボックス(30×30×30cm)にラットを入れ、自発痛の指標として知られている自発顔面ラビング時間を10分間計測した。また左側咬筋にフォンフライフィラメントを用いて機械的刺激を与え、頭部引っ込め反射閾値(HWT)を測定した。咬筋へ機械的刺激を5分間隔で3回与え、3回の平均値をHWTとして算出した。これにより心理的ストレスによる疼痛関連行動の経日的変化を検討した。 自発顔面ラビング時間の延長とHWTの有意な低下がMP群とs-MP群で見られた。Sham群とs-Sham群はでは有意な変化は認めなかった。MP群では3日で自発顔面ラビング時間の延長とHWTの低下はベースラインと同等のレベルに戻ったが、s-MP群では7日目まで継続した。 以上の結果より慢性的ストレスが咀嚼筋痛を延長させる可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
疼痛関連行動の評価で安定した結果が得られるまでに時間がかかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
三叉神経脊髄路核尾側亜核におけるc-Fos陽性ニューロンの数を計測し、心理的ストレス負荷を与えた咀嚼筋痛モデルラットの経日的な侵害刺激応答と疼痛関連行動との関連性を検討する。 逆行性トレーサーであるFluoro Goldを左側咬筋に注入し、灌流固定後に三叉神経節(TG)と脳幹を取り出し、咬筋支配TG細胞と三叉神経脊髄路核尾側亜核におけるGFAPの発現を免疫組織化学的に解析することで、経日的な疼痛関連行動とグリア細胞の活性化との関連性を検討する。 その後グリア細胞の代謝阻害薬であるフルオロシトレート(FA)が疼痛関連行動および中枢でのグリア細胞活性化に与える影響について検討する。 前述の4群作製後にFAまたは生理食塩水を腹腔内投与する。投与後1、3、5、7日後に自発顔面ラビング時間とHWTを測定する。自発顔面ラビング時間とHWT測定後に屠殺し、灌流固定後にTGと脳幹を取り出し、GFAPの発現を免疫組織化学的に解析する。 これにより心理的ストレスによって慢性化した咀嚼筋痛に対するグリア細胞代謝阻害薬の疼痛抑制効果について検討する。
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Causes of Carryover |
海外送金清算戻入があったため。論文発表等の費用に使用する。
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