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2022 Fiscal Year Research-status Report

GABAAサブユニット作動薬を用いたバーニングマウス症候群の新規治療法開発

Research Project

Project/Area Number 20K10171
Research InstitutionNihon University

Principal Investigator

野間 昇  日本大学, 歯学部, 教授 (70386100)

Project Period (FY) 2020-04-01 – 2024-03-31
Keywordsバーニングマウス症候群 / 舌痛症 / 卵巣摘出
Outline of Annual Research Achievements

本年度は卵巣摘出ラットにおける舌痛発症機構の検討を行った。卵巣摘出(OVX)を行ったOVXラットの舌の疼痛閾値と解剖学的変化を調べ、BMSの疼痛発症機序の一端を解明することを目的で基礎研究を行った。方法としてSprague-Dawley系雌性ラットを用い,OVXラットとOVXせず剖出のみ行ったShamラットを作製した。これらのラットの舌へ温度刺激および機械刺激を加え,舌ひっこめ反射閾値(Tongue-withdrawal reflex threshold:TWT)をOVX前後で測定した。また,OVXおよびSham処置後7日目にOVXラットおよびShamラットの舌の組織切片を作製し,免疫組織化学的染色にて神経線維マーカーであるPGP 9.5の発現様式と粘膜上皮層の厚さを調べた。結果:OVXラットの機械刺激に対するTWTは,OVX前と比較してOVX 7日目から14日目において,有意な低下を示した。しかし,Shamラットの機械刺激に対するTWTはSham処置前後で有意な変化を示さなかった。また,OVXラットのTWTはShamラットに比較して,OVX 7日目から14日目において,有意な低下を示した。一方,OVXラットおよびShamラットの温度刺激に対するTWTは,OVX前後およびSham処置前後で有意な変化を示さなかった。OVXの舌粘膜上皮層はShamラットと比較し有意に減少していた。また、舌粘膜上皮におけるPGP9.5陽性神経線維面積はShamラットと比較し減少傾向を示した。結論:卵巣摘出による性ホルモンの減少により、機械刺激に対する舌の痛覚過敏が誘発される可能性が示され、舌粘膜上皮の神経線維が減少したことから、神経障害性要素が痛覚過敏を引き起こす可能性の一つが示唆された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

当初の研究計画では、BMS患者の臨床研究を行う予定であった。しかし、新型コロナウイルス感染症の流行により、令和4年度において患者のリクルートが困難であった。研究発表においても海外出張はおろか、国内出張さえ満足に行うことができなかった。

Strategy for Future Research Activity

BMSと食事(味刺激)の関係を調べる。このために以下の臨床研究を行う。BMS患者の舌尖部に対し、ドイツ神経障害性疼痛研究ネットワーク(DFNS:現有)の13種類の検査法を用いて、感覚評価を行い侵害刺激、非侵害刺激に対する反応を調べ、健常者における反応と比較することで神経障害性疼痛に特有の所見が得られるかを調べる。BMS患者と健康成人において、カプサイシン投与前後で疼痛強度をVASで評価したのち、各種味覚(甘味、塩味、酸味、苦味)のいずれがその疼痛強度を修飾しうるかを全口腔法により調べる(カプサイシン投与前の疼痛修飾はBMS患者のみ計測)。いずれかの味刺激で疼痛修飾がみられるようであれば、片側舌前方2/3、片側舌後方1/3、両側舌前方2/3、両側舌後方1/3にそれぞれ当該味刺激を加えて、その変化を主観的・定量的に観察する予定である。

Causes of Carryover

2021年度はBMS患者と健康成人において、カプサイシン投与前後で疼痛強度をVASで評価したのち、各種味覚(甘味、塩味、酸味、苦味)のいずれがその疼痛強度を修飾しうるかを全口腔法により調べる(カプサイシン投与前の疼痛修飾はBMS患者のみ計測)予定であった。2022年度はBMS患者において不安とうつ傾向を評価しておき、クロナゼパム生理食塩液溶液、オキシトシン溶液、生理食塩液(対照)を口腔内に含有後吐出させ、BMS患者の疼痛軽減におけるこれらの薬剤の局所効果を検討する予定であった。しかし緊急事態宣言などの影響で日本大学での被験者リクルートが困難になり、研究推進が大きく制限された。BMS患者の定量感覚検査のデータ採取として謝金を計上していたが,今年度はコロナ感染のため患者リクルートが計画的に遂行することが叶わなかったため、次年度に使用するに至った。また,英語論文についての校正費は今年度末までに投稿準備が完了しなかったため,次年度に計上した。各種味覚(甘味、塩味、酸味、苦味)の薬品、患者への謝金、条件刺激機材を計上する。また,現在準備中の英語論文の英文校正費に支出予定である。また,国内外の学会参加費も支出予定である。

  • Research Products

    (3 results)

All 2022

All Journal Article (1 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results,  Peer Reviewed: 1 results) Presentation (2 results)

  • [Journal Article] Worldwide prevalence estimates of burning mouth syndrome: A systematic review and meta-analysis2022

    • Author(s)
      Wu S, Zhang W, Yan J, Noma N, Young A, Yan Z.
    • Journal Title

      Oral Dis

      Volume: 28 Pages: 1431-1440.

    • DOI

      10.1111/odi.13868.

    • Peer Reviewed / Int'l Joint Research
  • [Presentation] 卵巣摘出ラットにおける舌痛発症機構の検討2022

    • Author(s)
      小林桃代、岡田明子、野間昇、篠田雅路
    • Organizer
      第27回日本口腔顔面痛学会
  • [Presentation] 自律訓練法介入によるBMS患者の口唇および前腕部のconditioned pain modulation効果に及ぼす影響2022

    • Author(s)
      小笹 佳奈, 篠崎 貴弘, 今村 佳樹, 野間 昇
    • Organizer
      第44回日本疼痛学会

URL: 

Published: 2023-12-25  

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