2020 Fiscal Year Research-status Report
Comprehensive analysis of salivary exosome proteins for drug delivery system development
Project/Area Number |
20K10174
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Research Institution | THE NIPPON DENTAL UNIVERSITY COLLEGE AT NIIGATA |
Principal Investigator |
今井 あかね 日本歯科大学新潟短期大学, その他部局等, 教授 (60180080)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
筒井 紀子 日本歯科大学新潟短期大学, その他部局等, 講師 (00352782)
煤賀 美緒 日本歯科大学新潟短期大学, その他部局等, 助教 (00723678)
辻村 麻衣子 (羽下麻衣子) 日本歯科大学, 新潟生命歯学部, 准教授 (60535219)
岡 俊哉 日本歯科大学, 新潟生命歯学部, 准教授 (90213909)
浅沼 直樹 日本歯科大学新潟短期大学, その他部局等, 教授 (90231886)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | エクソソーム / 唾液 / タンパク質 / N-結合型糖鎖 / 年齢差 |
Outline of Annual Research Achievements |
エクソソームは新しい細胞間情報伝達システムとして注目されている。唾液中にもエクソソームが存在しており口腔内のみならず消化器の上皮細胞を通して全身に情報を伝達していると考えられる。さらには個体間の情報伝達も可能である。そのエクソソームに内包されてる物質がどのようにしてレシピエント細胞(受容細胞)へ取り込まれていくのか不明な点も多い。本研究では新規ドラッグデリバリーシステム構築の足がかりとするため唾液エクソソームに着目して、その組成に関連した細胞間物質輸送システムを考察・解明することを目的としている。 令和2年度は、これまで蓄積してきた唾液エクソソームサンプル(熟年期と青年期女性、各9名)の形状、プロテオーム解析およびN結合型糖鎖のデータの分析と確認を行った。これにより、年齢層による唾液エクソソームの相違点を明らかにすることができた。タンパク質量については熟年期女性(Adult,56.7±1.17歳)の方が多く、タンパク質の種類数および糖鎖量については青年期女性(Young,19.9±0.20歳)の方が多かった。エクソソームの粒径ではAdultの方が大きかった。Adultエクソソームにはイムノグロブリン、ラクトフェリン、シスタチンS、ムチン、アミラーゼなど全唾液中に多く見られるタンパク質が多く確認された。これよりAdultの方が生体防御に関係するものが多いのではないかと考えられた。Youngエクソソームには代謝回転の速さやタンパク質の多様性が推察された。一方、唾液エクソソーム中には膜融合や輸送に関連するタンパク質も検出された。一方、糖鎖の質量分析では55種類が検出された。糖鎖構造の違いを考慮すると177種類と推定される。唾液エクソソーム中に癌などの疾病に関係している糖鎖が多数見られたため、疾病の診断に唾液エクソソームが役立つ可能性が見いだされた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍においての唾液サンプル採取に際して感染リスクを回避する対策が必要であった。在宅ワークを余儀なくされた上、オンライン授業準備等により当初計画していた研究に当てるエフォートが減少したため予定していた実験に遅延が生じた。しかしながら、これまで収集してきたエクソソームサンプルを用いて解析を行うことにより、新たな知見が得られ、論文に纏めることができた(令和2年度の研究成果参照)。
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Strategy for Future Research Activity |
研究の遅延を取り戻す。新型コロナワクチンの普及に伴い、安心安全な新規の唾液採取を行える状況を期待する。万一、新規に唾液が収集できなくとも、各種エクソソームサンプルを所有しており、当初の研究目的を果たすことができる。
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Causes of Carryover |
新型コロナ感染拡大のため、参加する予定だった学会がオンライン開催となったため、計上していた旅費を使用しなかった。その代わりに感染対策のための検査キットおよび衛生用品を購入した。また、初年度に解析委託経費を計上していたが、新規の唾液採取が行えなかったため令和3・4年度に解析費用を支出予定である。
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[Presentation] Expression of proline-rich proteins, P-B1, P-B, and BPLP, the parent proteins of opiorphin family, in human saliva2020
Author(s)
Saitoh E, Ochiai A, Tanaka T, Taniguchi M, Kato T, Imai A, Isemura S.
Organizer
SPLICING 2020, 3rd International Caparica Conference in Splicing
Int'l Joint Research
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