2020 Fiscal Year Research-status Report
歯周炎惹起酸化ストレスに鉄代謝が及ぼす影響と体血管反応性改善のための臨床的戦略
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20K10181
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
高石 和美 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 准教授 (20325286)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北畑 洋 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 教授 (60161486)
木下 浩之 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 徳島大学専門研究員 (70291490)
川人 伸次 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 特任教授 (60284296)
工藤 保誠 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 教授 (50314753)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 血管反応 / ラット / 血管反応 / 歯周病 |
Outline of Annual Research Achievements |
8週齢ラットの両側下顎第1大臼歯頬側に,1週間に1度の間隔で生後10週まで大腸菌由来のLPS(計1500 μg[軽度歯周組織炎症],随時LPS増量により重度歯周組織炎症ラットも作成可能)を投与したラット群を軽度歯周炎モデルラットとして,LPS投与の代わりに生理食塩水を投与した群を生食群とする。各群ラットをイソフルラン3%吸入で十分な麻酔深度を得た後,軽度歯周炎モデルラットの大動脈を摘出し,フェニレフリン(1 nM-10 μM)により得られる血管収縮反応および,フェニレフリン(300 nM)で収縮後に得られるアセチルコリン(1 nM-10 μM)誘発性血管拡張反応について検討を行う実験系をすでに確立している。本実験系において、ラパマイシン(10 ng/ml)がコントロール群ラットのフェニレフリン(1 nM-10 μM)により得られる血管収縮反応に与える影響を検討した。mTOR抑制剤であるラパマイシンは,免疫抑制作用や血管平滑筋増殖抑制作用を有するが,近年,心筋細胞において過剰な鉄イオン遊離やフェロトーシスに対する保護的効果が報告されており,糖尿病や歯周病が誘発する全身性炎症反応に関与する鉄代謝にも関連する可能性がある。今回の実験から、ラパマイシン(10 ng/ml)はコントロール群ラットのフェニレフリン(1 nM-10 μM)により得られる血管収縮反応を軽度増加させる傾向を示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
軽度歯周炎モデルラットにおける鉄代謝と酸化ストレスの検討について、研究計画のなかの動物実験に関連する実験系に大幅な変更が生じたことから進捗がやや遅れていたが、すでに研究分担者と協議を重ね、培養細胞を用いたin vitroのもう一つの実験系にすでに着手している。
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Strategy for Future Research Activity |
ヒト歯肉繊維芽細胞および歯根膜繊維芽細胞を使用し,歯周病と鉄イオン代謝の関連について,フェロトーシス関連mRNAの発現およびフェロトーシス/オキシトシス関連分子マーカーに着目し検討を行う予定である。同時にモデルラットを使用した体血管機能に対する歯周組織の炎症に対する鉄イオン代謝の検討を行う。動物実験に着手できない時期にはin vitro実験系をすすめる予定である。
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Causes of Carryover |
動物実験に要する支出が大幅に変更となったため次年度使用額が生じた。次年度は今年度行う予定であったが進捗が遅れている動物実験およびin vitroの実験系への物品の購入に使用予定である。
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Research Products
(3 results)