2021 Fiscal Year Research-status Report
歯周炎惹起酸化ストレスに鉄代謝が及ぼす影響と体血管反応性改善のための臨床的戦略
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20K10181
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
高石 和美 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 准教授 (20325286)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北畑 洋 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 教授 (60161486) [Withdrawn]
木下 浩之 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 徳島大学専門研究員 (70291490)
川人 伸次 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 教授 (60284296)
工藤 保誠 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 教授 (50314753)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 鉄代謝 / 鉄イオン / 血管内皮細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒト冠動脈血管内皮細胞(Lifeline Cell Tschnologys社より購入)およびヒト歯根膜繊維芽細胞(コスモバイオ社より購入)を使用し,歯周病が冠動脈血管内皮細胞に与える影響を検討する目的で実験を行った。 ヒト冠動脈血管内皮細胞をリポポリサッカライド(LPS,1, 10, 50 マイクロg/ml)で刺激し,24, 48, 72時間後の細胞増殖に与える影響を検討した。また,LPS(10 マイクロg/ml)で刺激した細胞の培養液中に,プラバスタチン(1, 10, 100 マイクロg/ml),またはリドカイン(2, 20, 200 マイクロg/ml)を添加し,細胞増殖に与える影響を検討した。その結果,LPSはヒト冠動脈内皮細胞の増殖に有意な変化を与えず,プラバスタチンおよびリドカインは,どの濃度においてもLPSで刺激した細胞の増殖に影響を与えなかった。 次に,ヒト冠動脈内皮細胞細胞をLPS(10 マイクロg/ml)を含む培養液で48時間培養し,細胞内鉄イオン検出蛍光試薬を用いて観察した。刺激していないコントロールの細胞と比較して,細胞内Fe2+は増加した。同様の系において,プラバスタチン(10マイクロg/ml)あるいはリドカイン(20 マイクロg/ml)が与える影響を検討中である。さらに,コントロールおよびLPS(10 マイクロg/ml),LPS(10 マイクロg/ml)+プラバスタチン(10 マイクロg/ml),LPS(10 マイクロg/ml)+リドカイン(20 マイクロg/ml)で刺激した細胞からRNAを抽出し発現量を解析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度進捗が遅れていたモデル動物を用いた実験系から培養細胞を用いた実験系へ研究を移行させ遂行し、ほぼ順調に経過している。培養細胞を用いたin vitro実験系では、ヒト冠動脈血管内皮細胞およびヒト歯根膜繊維芽細胞を用いた実験系を計画しており、このうち、ヒト冠動脈血管内皮細胞を用いた細胞増殖アッセイおよび細胞内鉄イオン検出の実験は順調に終了し、現在は、抽出したRNAを用いた実験系へ伸展している。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続きヒト冠動脈血管内皮細胞およびヒト歯根膜繊維芽細胞を使用したin vitro実験系で研究を進める予定である。具体的には、まず、ヒト冠動脈血管内皮細胞から抽出したRNAを用いた実験を行う。次に、ヒト歯根膜繊維芽細胞を使用し、細胞増殖アッセイおよび細胞内鉄イオン検出、細胞内過酸化脂質検出、RNA抽出を行う。両細胞から得られた実験を合わせ考察し、追加実験を行う予定である。現在着手している実験に加えて、新しく追加する実験系についても、すでに研究分担者と協議し計画を進めているが、特に考察において、研究分担者からクリティカルシンキングを用いた建設的意見をいただくことで研究を推進していきたいと考えている。
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Causes of Carryover |
物品費のうち、3月に納品された費用が4月支払いとなっているため、本収支状況報告には含まれていない。3月納品分の支出額が高額であったため、次年度使用額は記載分よりはるかに少ない額となっている。その次年度使用額と翌年度分として請求した研究費とを合わせて、培養細胞を用いたin vitro実験の継続を行う予定である。
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Research Products
(4 results)