2021 Fiscal Year Research-status Report
Stress relieving action by chewing, suppresses : verification of the function of oxytocin
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20K10188
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
山下 雅子 自治医科大学, 医学部, 客員研究員 (70569946)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笹栗 健一 自治医科大学, 医学部, 准教授 (10235286)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | オキシトシン / 咀嚼 / 辺縁系 / 視床下部 |
Outline of Annual Research Achievements |
摂食により延髄のプロラクチン放出ペプチド(PrRP)産生ニューロンが活性化され、視床下部のオキシトシンが活性化し、摂食が終了する。一方、ストレス時の咀嚼活性で受け活性化するタンパク質キナーゼが室傍核、島皮質ならびに中脳中心灰白質にて減少する機構が示唆された。辺縁系、扁桃体にもオキシトシン受容体が発現されており、オキシトシンには抗ストレス作用があることから摂食とは異なる投射経路として『咀嚼により辺縁系や皮質でオキシトシンが活性され、オキシトシン受容体を介した新規ストレス緩和機構が存在する可能性がある』という仮説を考えた。 これまでにPrRP受容体欠損マウスでは、摂食時の視床下部のオキシトシンが有意に減少し、コレシストキニンを投与すると血漿オキシトシンの増加反応が減弱する。摂食はコレシストキニンが延髄のPrRPニューロンを介して、視床下部のオキシトシンを活性化することで摂食終了するメカニズムという機構を明らかにした。咀嚼と摂食の違いを明らかにするために、咀嚼の抑制をさせることで、オキシトシンに変化をもたらすのかどうかを検証した。オキシトシンおよびPrRP受容体欠損マウスにおいてショ糖液および高脂肪液を経口的に摂取させたところ、野生型および受容体欠損マウスに摂取量の有意差は認められなかった。この結果から、咀嚼を抑制させる行為はオキシトシンおよびPrRP受容体を介していない、すなわち咀嚼によりオキシトシン受容体が発現される可能性が示唆された。これらのデータは、咀嚼刺激はオキシトシンを介する、咀嚼刺激はオキシトシン受容体を介したストレス反応を抑制しているという仮説に合うものである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナウイルス感染の蔓延化にともない物流の不足が実験に一部影響を及ぼしたため
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Strategy for Future Research Activity |
今後は咀嚼により活性化されるオキシトシンかストレス緩和作用として働くか、ストレスによってオキシトシン活性化する部位の検索と同時に、咀嚼させたときに活性化する部位について網羅的に検索予定である。
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Causes of Carryover |
研究が遅れたため助成金を予定通り使用できなかった。今後、研究の新長期状況に合わせて消耗品を中心に使用していく予定である。
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