2023 Fiscal Year Annual Research Report
Basic research of PARP inhibitor effects for chemotherapy induced mucositis
Project/Area Number |
20K10196
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Research Institution | Tsurumi Junior College |
Principal Investigator |
藤原 久子 鶴見大学短期大学部, 歯科衛生科, 教授 (80396746)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
熊谷 賢一 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (10518129)
川口 浩司 鶴見大学, 歯学部, 准教授 (50277951)
濱田 良樹 鶴見大学, 歯学部, 教授 (70247336)
大島 朋子 鶴見大学, 歯学部, 教授 (50233101)
伊藤 由美 鶴見大学, 歯学部附属病院, 講師 (00176372)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | PARP阻害剤 / 菌叢解析 / 化学療法誘発粘膜炎 / 腸管免疫応答 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、抗腫瘍薬のシスプラチン(CDDP)と分子標的薬のPARP阻害剤をマウスへ投与した場合に全身へ及ぼす影響について、特に腸管粘膜と腸内細菌叢について検証を行った。 C57BL/6(6週令・メス)を無作為に①CDDP群、②PARP阻害剤群、③CDDP・PARP阻害剤併用群、④コントロール群に分けて、シスプラチンならびにPARP阻害剤の腹腔内注射による薬剤投与を行った。薬剤投与終了後1・3・6か月目において、解析を行った。また6か月の研究期間中の体重変化と生存率についても同時に解析を行った。 体重変化については、1か月目においてはCDDP群と併用群が有意に減少していたが、3か月目と6か月目には有意差がないところまで回復していた。また生存率について、CDDP単独投与群では投与終了40日目までに有意に減少したが、その後は横ばいとなり、投与終了200日以上経過すると併用群の生存率が有意に減少した。 消化管粘膜への影響について、(1)コントロール群とPARP阻害剤投与群では、消化管粘膜に顕著な差異は認めない、(2)CDDP群の空腸と回腸ではコントロール群とPARP阻害剤群と比較して有意な空腸絨毛と回腸絨毛の短縮が認められる、(3)CDDP・PARP阻害剤併用群ではCDDP群と比較して絨毛の短縮は明らかではなく、コントロール群との有意な差は認められなかった、ことの3点が分かった。 レベル4の腸内細菌の菌叢解析では、Firmicutes_Clostridia_Clostridialesの割合がCDDP群とCDDP・PARP阻害剤併用群の2群において有意に増加、レベル5・6・7の解析においても、同様にFirmicutesの系譜であるBacteroides_caecimurisの有意な増加が認められた。
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