2020 Fiscal Year Research-status Report
GPCRクラスA転写マップの作成~唾液腺由来のRNA核酸医療の骨再生への応用
Project/Area Number |
20K10200
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
渡 一平 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教 (10431941)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
KA 井上 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教 (90302877)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | GPCRクラスA / カルシウム・リン代謝 / RNAサイレンシング / 遺伝子治療 / 唾液腺 |
Outline of Annual Research Achievements |
先天異常、外傷、歯周病あるいは腫瘍摘出時の顎骨切除などに伴って欠損した顎骨・歯槽骨の再生には、様々な方法が試みられているが、現時点では、骨形成促進因子を外来性に投与あるいは発現させて骨形成を促すものが殆どである。しかし、副作用や強制発現させた因子による持続的な影響が無視できないことが多く、臨床応用に際して障壁となることが多い。 そこで応募者は、内因性の骨形成抑制因子のネットワークに着目し、副作用なく効率的に顎骨・歯槽骨を再生する方法を探ることを目的として、Gタンパク質共役受容体(GPCR)のうち、カルシウム・リン代謝を制御するGPCRクラスA(GPCR-A)のもつ骨形成抑制作用に着目して、遺伝子工学的手法を用いて骨再生を目指すべく、本年度は唾液腺に発現し骨形成に関わる新規遺伝子や機能未知の転写産物の候補の絞り込みを行っている。非常事態宣言発令にともない研究代表者の研究機関における実験の一次停止措置があったため、利用できる機器や実験施設に制限がでたため、実験計画の一部を変更して研究代表者所属機関における動物実験倫理審査を経て動物実験を急遽前倒しにして研究を遂行している。具体的にはラット大唾液腺(顎下腺、耳下腺、舌下腺)からサンプルを採取し、組織学的解析(免染)と生化学的解析(定量PCR)に取り組んでいる。現在までに得られたデータをまとめ、2021年前半に開催されるヨーロッパ矯正歯科学会学術大会(オンライン開催)にてこれまでの研究成果を発表する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
COVID19感染症拡大による非常事態宣言にともない、所属研究機関における新規基礎実験の停止措置がなされたため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も実験期間および実験室使用制限措置がなされる可能性があるため、当初の計画に比べて標的候補遺伝子や転写産物の絞り込みをより厳密に行い研究の遅れを取り戻す予定である。
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Causes of Carryover |
緊急事態宣言にともなう実験停止措置があったため、当初の計画にくらべて消耗品として使用予定の実験機器の購入が遅れているため。
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