2020 Fiscal Year Research-status Report
Tic regulation by oral splint in Tourette syndrome: assesment of premonitary urge and QOL
Project/Area Number |
20K10201
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
秋山 茂久 大阪大学, 歯学部附属病院, 准教授 (00283797)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 隆史 大阪大学, 歯学研究科, 教授 (50367520)
村上 旬平 大阪大学, 歯学部附属病院, 講師 (70362689)
吉田 篤 大阪大学, 歯学研究科, 教授 (90201855)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | トゥレット症候群 / 歯科スプリント / 前駆衝動 |
Outline of Annual Research Achievements |
トゥレット症候群(TS)は,音声チックと複数の運動チックが,一年以上持続する精神神経疾患で,患者の社会生活は困難となるが,有効な治療法が存在しない.我々は歯科スプリントのチック症状改善と,咀嚼筋筋紡錘賦活が関与する可能性を報告してきた.歯科スプリントの効果を検証するため,新たな対象者で分析を行った. TS患者37名中,スプリント装着後30日以内に来院し,同意した24名(7~41歳,男性23,女性1,病悩2~36年間)を対象とした.臼歯部咬合2mm挙上の下顎アクリルレジンスプリントを作成し,食事,睡眠,不快時等以外の装着を指示した.使用前と使用後初来院時(7~25日後)で,チック症状自己評価票(TSSR)(n=24),Yale全体的チック重症度スケール(YGTSS)(n=10,8~41歳),チック前駆衝動尺度(PUTS)(n=13,7~23歳)スコアを比較した. TSSR値は減少21名,変化なし2名,増加1名,減少率-20~100%(平均41%)で,平均値は23から15と有意(Wilcoxon’s p<0.001)に改善した.YGTSS値(対象者の平均TSSR減少率42%)は減少8名,変化なし1名,増加1名,減少率-20~52%(平均20%)で,平均値は55から42に変化した(p=0.059).PUTS値(対象者の平均TSSR減少率49%)は減少8名,変化なし1名,増加4名,減少率-75~90%(平均9.9%)で,平均値は12から11とわずかに変化した(p=0.19). 以上のことから歯科スプリントによってチック症状は改善傾向を示したが,前駆衝動への効果に個人差がある可能性が示唆された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の予定通り,トゥレット症候群者における調査はすすめているが,コロナ禍の関係で往来が困難な時期があったため,若干の遅れを生じている.
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Strategy for Future Research Activity |
今後はチックの評価に加え,QOL調査,強迫症状,顎位,咬筋活動,脳活動,自律神経活動に及ぼす影響について調査を行う予定である.調査対象者の確保のため,受診者だけでなく,関連団体などからも呼びかけを行う.
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Causes of Carryover |
コロナの影響もあり,学会が中止やオンライン開催となったため,旅費および人件費の支出がなかった.それらを,高精度筋電計の購入に充てる予定である.
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