2021 Fiscal Year Research-status Report
Effect of CCL11 derived from deciduous tooth on pulp and root resorption
Project/Area Number |
20K10205
|
Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
長谷川 智一 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 講師 (50274668)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 乳歯歯髄細胞株 / CCL11 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者はhTERT遺伝子を導入して不死化した乳歯歯髄細胞株を作成した。この歯髄細胞株を使用してSDF-1 (stromal-deribed factor 1 alpha)の発現とその調節機構を解析し、歯髄への間葉系幹細胞の遊走に関与し、歯髄組織の再生にも関与していることを明らかにしてきた。今回さらに歯髄細胞において同様のケモカインの一つであるCCL11 (C-C motif chemokine 11)の発現解析を行ってきた。CCL11は各種白血球の遊走因子として知られ、特に気管支喘息、アレルギー性鼻炎、関節リウマチ、歯周病の病態に関与することが示唆されている。歯髄疾患への関与も考えられるため、その発現調節機構について解析を行った。 歯髄細胞株においてCCL11を構成的に発現し、その発現はFGF-2 (fibroblast growth factor 2)の投与により抑制されることが明らかとなった。この効果は濃度依存的で10-20 ng/ mlで最大であった。効果も経時的に作用し、24時間から48時間でピークを示した。さらにFGF-2の受容体阻害剤であるAZD4547によりCCL11の抑制が解除されたことから、FGF-2による作用は受容体を介していることが明らかとなった。またAZD4547のみの投与でもCCL11の発現促進が認められたことから、おそらく歯髄細胞が構成的に発現しているFGF-2の抑制も解除されたと考えられた。現在FGF受容体からの細胞内シグナル経路の解析を行っている。 今後細胞内シグナルの解析に合わせて、歯髄細胞の発現するCCL11の役割を解析する予定である。また乳歯歯根吸収や内部吸収に関与する破骨細胞の分化誘導に作用してないか解析中である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
コロナ禍のため、実験の消耗品の納入が遅れている。1つの実験試薬、消耗品やキットの納入に1月以上要したり、また消耗品の代替品も品切れや値上がりも深刻である。試薬の納入や消耗品の納期遅れのために実験が一時的にストップしてしまうことがあった。 また研究室もリノベーションが行われ、引越しのために一時的に研究を停止させなければならなかったため遅れている。
|
Strategy for Future Research Activity |
本年度はFGF-2受容体からの細胞内シグナル経路についての解析を進める予定である。 具体的にはMAPK経路、ERK1/2経路およびJNK経路の3つについて阻害剤を用いて調べる予定である。 その後、Western blot analysisによりそれぞれの経路の活性化について解析を行い、どの経路が重要なのか決定する予定である。 細胞内シグナル経路の同定が可能であれば、今後の治療薬として受容体阻害剤、細胞内シグナルの阻害剤など低分子化合物による応用が可能となり、非常に有用だと考えている。
|
Causes of Carryover |
(理由)コロナ禍による研究試薬、消耗品の納入が在庫切れ、納期の遅れ等で入手できず、研究予定が大幅に遅れた。そのため物品費が予定よりも消費できないために次年度使用額が生じた。また学会等もコロナによりweb開催になり、研究成果の発表のための旅費の使用も全くなかったため、次年度使用額が生じた。 (使用計画)新年度は学会も開催されるため、成果発表および研究打ち合わせに行く予定である。また研究用の試薬、消耗品はこれから高価な抗体等を購入する予定であり、差額の購入費を当てていく予定である。
|
Research Products
(6 results)
-
[Journal Article] Establishment of Down’s syndrome periodontal ligament cells by transfection with SV40T-Ag and hTERT2022
Author(s)
Takeyoshi Asakawa, Atsushi Yamada, Masumi Kugino, Tomokazu Hasegawa, Kentaro Yoshimura, Kiyohito Sasa, Mitsuhiro Kinoshita, Masakazu Nitta, Karin Nagata, Tomomi Sugiyama, Ryutaro Kamijo & Takahiro Funatsu
-
Journal Title
Human Cell
Volume: 35
Pages: 379-383
Peer Reviewed / Open Access
-
-
-
-
-