2022 Fiscal Year Annual Research Report
Effect of CCL11 derived from deciduous tooth on pulp and root resorption
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20K10205
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
長谷川 智一 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 講師 (50274668)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 乳歯歯髄細胞株 / CCL11 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者はhTERT遺伝子を導入して不死化した乳歯歯髄細胞株を作成した。この歯髄細胞株を使用してSDF-1 (stromal-deribed factor 1 alpha)の発現とその調節機構を解析し、歯髄への間葉系幹細胞の遊走に関与し、歯髄組織の再生にも関与していることを明らかにしてきた。今回さらに歯髄細胞において同様のケモカインの一つであるCCL11 (C-C motif chemokine 11)の発現解析を行ってきた。CCL11は各種白血球の遊走因子として知られ、特に気管支喘息、アレルギー性鼻炎、関節リウマチ、歯周病の病態に関与することが示唆されている。歯髄疾患への関与も考えられるため、その発現調節機構について解析を行った。 歯髄細胞株においてCCL11を構成的に発現し、その発現はFGF-2 (fibroblast growth factor 2)の投与により抑制されることが明らかとなった。 今年度はさらにFGF-2受容体の下流シグナルの解析のために、SB203580 (p38 MAPK阻害剤), U0126 (ERK1/2阻害剤), SP600125 (JNK阻害剤)を使用して解析を行った。western blottingによりそれぞれの細胞内シグナル分子のリン酸化の検討を行った結果、全ての分子においてリン酸化が抑制された。しかしながらFGF-2によるCCL11 mRNAの発現抑制は、SP600125のみがブロックした。以上の結果から、歯髄細胞株の発現するCCL11は、FGF-2によりJNK経路を介して抑制されることが明らかとなった。 これらの結果から、乳歯歯髄細胞がCCL11を発現していること、さらにその発現量をFGF-2によってコントロール可能なことが示された。この結果を利用して、歯髄疾患や歯周組織の再生治療に応用可能かどうか、今後検討を行っていく予定である
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Research Products
(1 results)