2022 Fiscal Year Annual Research Report
Mechanosensitive microRNAによる下顎骨成長制御メカニズム
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20K10207
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
高橋 一郎 九州大学, 歯学研究院, 教授 (70241643)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺尾 文恵 九州大学, 歯学研究院, 助教 (10510018)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 軟骨細胞分化 / 機械的刺激応答 / Sox9 / ATDC5 / 下顎頭軟骨細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
下顎頭軟骨細胞の分化および下顎頭軟骨の成長発育過程におけるメカニカルストレス応答性のmiRNAとしてmechanosensitive miRNAの働きを解明することを目的として研究を開始した。スクリーニングにより5つの候補 miRNA を特定し、これら5つの候補 miRNA について、さらなる検討を行った。 まず、下顎頭軟骨原器由来間葉系幹細胞を採取して、5種類の mechanosensitive microRNA の発現解析を行った。これら5つの microRNA は胎生期の下顎頭軟骨分化初期にこう発現している2つ、胎生期から出生後の下顎頭軟骨分化中期に高発現している2つ、ならびに、成獣に達してから高発現する1つのおおむね3種類に大別することができた。 これらの microRNA の下顎頭軟骨における発現の特異性を検討するために、一昨年は、軟骨細胞株 ATDC5 を同時に用いて発現解析を行うとともに、スクリーニングによって見いだした5つのmiRNA が、下顎頭軟骨の細胞増殖に影響を与えるか否かについて検討した。さらに、5つの microRNA 細胞培養系に添加し、細胞増殖ならびに軟骨細胞分化に対して与える影響を検討した。 最終年度には、下顎頭軟骨原器由来間葉系幹細胞に加え、軟骨細胞株ATDC5を用いて実験を行った。どちらの細胞でも、miR145a-5p mimicを導入した群において細胞増殖に有意な低下が認められ、miR152-3p, 134-5p, および 145a-5p mimicを導入した群においてⅡ型コラーゲンに加え、Sox9 などの転写調節因子の遺伝子発現の有意な低下が認められ、miRNA が転写レベルで軟骨細胞分化を制御している可能性が示された。特に miR134-5p が軟骨細胞分化に重要な役割を果たしていることが示された。
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