2021 Fiscal Year Research-status Report
抗腫瘍薬による歯周組織発育への影響とフォローアップ時の支援とマネージメントの検討
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20K10216
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| Research Institution | The Nippon Dental University |
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Principal Investigator |
河上 智美 日本歯科大学, 生命歯学部, 准教授 (30277595)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
苅部 洋行 日本歯科大学, 生命歯学部, 教授 (50234000)
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| Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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| Keywords | 小児がん / 抗腫瘍薬 / 晩期合併症 / 歯の形成不全 / 長期フォローアップ |
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| Outline of Annual Research Achievements |
近年の小児がん治療の治療成績の向上により、大部分の患者は長期生存が可能となってきた。その一方、小児期に治療した影響で歯に形成障害が生じるという晩期合併症の臨床報告が増加してきている。本研究の目的の中に、小児がん治療で臨床における歯の晩期合併症の発生について調べること、また長期フォローアップ時に必要となる項目や検査方法について検討と考察を加えることがある。本年度はまず大学附属病院に来院した患者のうち、小児がんサバイバーの既往がある患者の口腔領域の晩期合併症の有無と小児がん治療の時期について検証を試みた。
【対象と方法】大学附属病院の受診者のうち、小児悪性腫瘍の既往がある小児がんサバイバーの歯科受診目的を後向き調査するために倫理申請（承認番号：NDUT2018-37）を行った。その後、診療録を用いて、既往歴から小児がんサバイバーを抽出し、口腔内診査およびエックス線画像より歯の形成異常を分類して、それらを数値化した。また、小児がん治療時のプロトコールから使用された薬剤の種類およびそれぞれの総使用量をまとめた。
【結果】小児がんサバイバーでは、口腔内診査およびエックス線診査の結果から小児がん治療による晩期合併症と考えられる歯の異常や歯列不正などがみとめられた。歯の形成異常で多いものとして、永久歯の歯胚欠如や矮小歯、歯根形成不全などがあげられた。また、統計処理を行ったところ低年齢で小児がん治療を行った既往が歯の形成異常と相関があることがわかった。
【考察】小児がんの治療時期は歯の形成時期に重なっていることが多い。小児がんサバイバーには小児がん治療による晩期合併症が口腔領域に現れる場合があること、小児がん治療の年齢時期が歯の形成不全の内容とその重症度のリスク因子となることが示唆された。今後は使用薬剤の種類や使用量と歯の形成不全の状況を分析し、詳細なリスク因子を検討する予定である。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
一昨年度からCOVID-19のパンデミックの発生によりその対応に追われ、大学病院ということで感染に対する行動制限が引き続き行われていた。個人情報の関係からデータの収集に思いのほか時間を要している。
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| Strategy for Future Research Activity |
１．現在計画を変更して進めている小児がんサバイバーのデータを入力状態の再確認と解析を進めていく。データ分析の方法について共同研究者と討議する。データをまとめたものを発表する準備を進めていく。
２．顎骨発育や歯周組織のデータについては、共同研究室の予約状況を他研究者と調整して、実験機器が使用できるように使用時期を検討する。
３．COVID-19の感染状況に注意をしながら、実験計画については臨機応変に対応できるようにしておく。
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| Causes of Carryover |
COVID-19のパンデミックによる感染予防のために、学会・会議等への参加移動が制限されたため、その分の経費は減少した。実験計画の変更により、使用する器具・器材の購入時期に変更が生じたものは、次年度に購入する計画がある。また次年度は論文作成や発表の準備にとりかかり使用する予定である。
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