2020 Fiscal Year Research-status Report
破骨細胞前駆細胞の骨組織への遊走を制御するγδT細胞の機能解明と分子標的薬の検討
Project/Area Number |
20K10220
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
西村 寿晃 東北大学, 大学病院, 講師 (50367611)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
五十嵐 薫 東北大学, 歯学研究科, 教授 (70202851)
石井 武展 東京歯科大学, 歯学部, 講師 (80433978)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | γδT細胞 / マクロファージ遊走阻止因子 / 破骨細胞 / 骨代謝 / 免疫学 |
Outline of Annual Research Achievements |
破骨細胞分化過程において、病的骨吸収と生理的骨リモデリングのメカニズムには違いがあることが報告されている。また、骨のリモデリングにはT細胞が重要な役割を果たしていることが知られており、中でもγδT細胞は多様なサイトカインを産生し骨吸収と骨形成をコントロールしている。本研究の目的は、病的骨吸収において、骨吸収と骨形成の両方をコントロールするγδT細胞の関与の解明と生理的骨吸収を阻害することなく病的骨吸収のみをターゲットにした分子標的薬を用いた骨破壊性疾患への臨床応用の可能性を検討することである。当該年度は以下の内容について研究を実施した。1.野生型マウスから回収したγδT細胞をセルソーターにて受容体サブセットごとに分離を行なった。それらサブセットが産生するサイトカインをPCR法とELISA法にて確認をした。また破骨細胞前駆細胞との共培養により、γδT細胞のサブセットの違いによる影響が異なることを確認した。2.野生型マウス由来の破骨細胞前駆細胞とγδT細胞の共培養を行い、in vitroにおける認識抗原の検索を実施している。3.認識抗原の同定を現在行っているが、既に以前同定済みのγδT細胞のサブセット認識抗原に対するモノクローナル抗体は現在製作中であり、今後抗体機能を確認予定である。4.マウスモデルを使用して、γδT細胞が産生するサイトカインの病的骨吸収と生理的骨リモデリングに対する影響の検討を開始した。今後はさらなる詳細な検討及び、研究協力者と共にγδT細胞認識抗原に対するモノクローナル抗体の作製及び病的骨吸収と生理的骨リモデリングのメカニズム解明を進めていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度に予定していたγδT細胞のサブセット分離と破骨細胞前駆細胞に対するそれぞれの影響の検討は概ね終了している。抗原の同定は終了していないが、次年度以降に予定していた病態モデルを使用した検討により、γδT細胞が関与する病的骨吸収と生理的骨リモデリングのメカニズムに関わる重要な機能の知見が得られている。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き計画書に従って研究を推進しする。特に初年度において得られたγδT細胞と破骨細胞前駆細胞の直接的な関与のうち、病的骨吸収と生理的骨リモデリングのメカニズムに関わる抗原等の解明に尽力する。更に、動物病態モデル実験の推進とモノクローナル抗体作製を継続する。
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Causes of Carryover |
γδT細胞のアイソレーションを効率的に行う目的で購入を予定していたマウスが輸入検疫の関係で遅延した為、一部の病態モデル実験を先行して行なった為に差額予算が生じた。購入予定のマウスは輸入の目処が立ち次年度使用額を予定通り使用する予定である。
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