2022 Fiscal Year Annual Research Report
破骨細胞前駆細胞の骨組織への遊走を制御するγδT細胞の機能解明と分子標的薬の検討
Project/Area Number |
20K10220
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
西村 寿晃 東北大学, 大学病院, 准教授 (50367611)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
五十嵐 薫 東北大学, 歯学研究科, 教授 (70202851)
石井 武展 東京歯科大学, 歯学部, 准教授 (80433978)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | γδT細胞 / マクロファージ遊走阻止因子 / 破骨細胞 / 骨代謝 / 免疫学 |
Outline of Annual Research Achievements |
破骨細胞分化において、病的骨吸収と生理的骨リモデリングのメカニズムには違いがあることが報告されている。また、骨のリモデリングにはT細胞が重要な役割を果たしていることが知られている。全T細胞中におけるγδT細胞の比率は非常に少ないが、多様なサイトカインを産生し骨吸収と骨形成をコントロールしている。本研究の目的は、病的骨吸収において、骨吸収と骨形成の両方をコントロールするγδT細胞の関与の解明と生理的骨吸収を阻害することなく病的骨吸収のみをターゲットにした分子標的薬を用いた骨破壊性疾患への臨床応用の可能性を検討することである。以下の内容について研究を実施し、成果があった。1.αβTCRノックアウトマウス由来γδT細胞の受容体サブセットとそれらサブセットが産生するサイトカイン、破骨細胞前駆細胞との共培養における影響を確認した。In vitroにおいてγδT細胞(IFN-γ産生型)は破骨細胞分化を抑制、抗IFN-γ抗体および抗γδTCRモノクローナル抗体でその効果は抑制された。2. 歯周炎惹起マウスから抽出したγδT細胞はMIF産生型γδT細胞の比率が増加し、破骨細胞前駆細胞との共培養ではコントロール群に比べ有意に破骨細胞の分化が促進された。3. 歯周炎惹起マウスの歯肉組織中のMIF mRNA発現量がコントロール群に比べ有意に増加していた。さらに抗MIF抗体の投与により骨破壊が抑制されていた。これらから、γδT細胞はサブセットによって破骨細胞に対する影響が異なり、さらに病的骨吸収と生理的骨リモデリングにおいて重要な機能を果たしている可能性が示唆された。
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