2022 Fiscal Year Annual Research Report
セロトニンを標的とした小児睡眠時無呼吸症モデル動物における軟骨性骨形成障害の検証
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20K10223
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
細道 純 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 准教授 (00420258)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下澤 達雄 国際医療福祉大学, 医学部, 主任教授 (90231365)
前田 秀将 東京医科大学, 医学部, 准教授 (60407963)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 閉塞性睡眠時無呼吸症 / 小児 / 交感神経 / 骨軟骨代謝 / 間欠的低酸素状態 / 認知機能 / 情動 |
Outline of Annual Research Achievements |
小児の閉塞性睡眠時無呼吸症(Obstructive Sleep Apnea; OSA)は、夜間の間欠的低酸素(Intermittent Hypoxia; IH)血症による神経発達障害とともに、成長障害を惹起する(Sleep Med Clin 2019;14:13)。未熟な乳幼児OSA患者は、軟骨性骨化で形成される胸骨や肋骨の低形成(胸郭狭窄)とともに、小下顎症などの顎顔面の軟骨性成長障害を示し、乳幼児突然死症候群の発症の一因の可能性が指摘されており、小児医療の重要疾患である。これまで、交感神経β2受容体は、軟骨代謝を促すTGF-βやSOX-9の発現を抑制することが知られているが、小児OSAにおける交感神経系の亢進が骨軟骨代謝を阻害し、成長を障害するか否かを検証し、小児OSAにおける成長障害の病態の全容を明らかにした報告はなかった。そこで、小児睡眠時無呼吸症モデル動物における軟骨性骨形成障害の検証を目的とする本研究課題において、代表者らは、IHガス曝露装置によるOSAのモデル動物 を確立し、乳児OSAの睡眠呼吸病態を再現したラットの下顎頭軟骨において、SOX9 mRNAの発現低下とともに、増殖軟骨の減少および石灰化軟骨の増加が顕著に誘発され、乳児期の下顎骨成長が阻害されることを、国内外で初めて報告した。さらに、交感神経β2受容体遮断薬の投与が、IH曝露により抑制された下顎骨の軟骨性成長を回復させることを報告し、上記2報はプレスリリースされ、大きな反響を呼んだ。さらに、同モデルにおける仔ラットの認知機能や情動に関わる行動解析を行い、海馬や偏桃体における神経栄養因子の発現変化が判明し、現在、中枢の病態変化に関するデータをまとめ、論文投稿の用意を進めている。
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Research Products
(3 results)