2020 Fiscal Year Research-status Report
ヒストンアセチル化に着目した歯と顎顔面形成のエピジェネティック制御機構の解明
Project/Area Number |
20K10233
|
Research Institution | Kyushu Dental College |
Principal Investigator |
渡辺 幸嗣 九州歯科大学, 歯学部, 講師 (30570650)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中富 満城 九州歯科大学, 歯学部, 講師 (10571771)
古株 彰一郎 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (30448899)
牧 憲司 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (60209400)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | TLE3 / エピジェネティクス / 顔面形成 / 顎顔面発育 |
Outline of Annual Research Achievements |
エピジェネティクスとは“DNA配列の変化を伴わず、ヒストンのメチル化やアセチル化などによる遺伝子発現の遺伝的変化”と定義される.歯や顎顔面形成ならびにそれらの異常である唇顎口蓋裂などの先天奇形の成因にエピジェネティクスが関与することが知られるが,ヒストンのアセチル化の役割には不明な点が多い.TLE3はヒストンの脱アセチル化を担うHDACを誘導することでヒストンの脱アセチル化を行い,遺伝子発現を制御する転写コリプレッサーである.我々はこれまでにこのTLE3が骨芽細胞分化を抑制するメカニズムを報告した. HDACを誘導し,ヒストンのアセチル化を制御するTLE3のノックアウトマウスの体格が小さいことから (Metzger DE et al., 2012),発生期の骨格形成ならびに各器官形成においてTLE3は重要な役割を果たしているのではないかと考えた. 野生型マウスをTLE3の抗体で染色したところ鐘状期歯胚のエナメル芽細胞,象牙芽細胞,口蓋癒合部の軟骨細胞,骨芽細胞などに発現が認められた.さらにマウス軟骨前駆細胞ATDC5の内在性TLE3をsi-RNAを用いてノックダウンすると細胞数(細胞増殖能)および細胞周期に関連するCyclinD1のmRNA量が減少していた.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画書通りのスケジュールで概ね研究が進行しDataの獲得ができているから.
|
Strategy for Future Research Activity |
早い時期にTLE3の遺伝子改変マウスを用いた実験を行っていく.
|
Causes of Carryover |
消耗品の購入にあたり、当初見積もりより安価に購入することができたため、54円の余剰金が生じた。来年度、消耗品の購入に必要な経費に組み込む予定である。
|