2021 Fiscal Year Research-status Report
オーダーメイド唇顎口蓋裂治療に向けた織り構造足場材料の開発
Project/Area Number |
20K10240
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Research Institution | Osaka Dental University |
Principal Investigator |
松本 尚之 大阪歯科大学, 歯学部, 教授 (70199884)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 典也 大阪歯科大学, 歯学部, 教授 (20228430)
本津 茂樹 近畿大学, 生物理工学部, 名誉教授 (40157102)
本田 義知 大阪歯科大学, 歯学部, 教授 (90547259)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | Er:YAGレーザー / ハイドロキシアパタイト |
Outline of Annual Research Achievements |
大きな顎裂を伴う唇顎口蓋裂は、顎裂部への二次的新鮮自家腸骨海綿骨移植が行われてきた。一方で、臨床の現場で自家骨は早期に吸収してしまい長期効果がみられないとの報告もある。また、唇顎口蓋裂のような複雑な裂形態では高い靭性と骨伝導性を有する足場材料が望ましい。 材料はポリカプロラクトン(PCL)を用いた。ラット間葉系幹細胞(rBMSCs)はPCL足場材料内で経時的に増加し,PCL足場材料が生体適合性に優れていることを示した. SEM像により,rBMSCsは材料表面に接着し広がっている様子が認められた. 共焦点レーザー顕微鏡のz-stack画像は,PCL足場材料が適切な間隔と空隙を持ち,rBMSCsが浸潤していることがわかった. マイクロCTおよびHE染色所見では,PCL足場材料内に新生骨が生成され,4週目に比べて8週目には有意に骨体積率が高かった. Von Kossa染色はPCL足場材料内にカルシウム沈着が起こっていることを明らかにした.vWF染色によって,PCL足場材料内に積極的に新生血管の形成が起こっていることが認められた. またPCLのハイドロキシアパタイト(HAp)成膜は、ターゲットとして、α-TCP粉末をプレス形成したバルク体を用いた。Er:YAGレーザー装置はアーウィンアドベールを使用した。また、レーザチップにはミストノズル付きストレート型P400Tを用いる。レーザー出力は300mJ、繰り返し周波数は10Hzとし、成膜を行った。結晶性をX線回折装置を用いて解析したところα-TCPが、HApに転移したことが明らかとなった。 動物実験についてはラット頭蓋骨骨欠損モデルを用い、成膜を行ったポリカプロラクトンを移植した。5月下旬に屠殺し、解析する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
PCLのハイドロキシアパタイト(HAp)成膜の結晶性をX線回折装置を用いて解析したところα-TCPが、HApに転移したことが明らかとなったから。ラット頭蓋骨骨欠損モデルでPCL内で骨形成することも確認できたため
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Strategy for Future Research Activity |
動物実験についてはラット頭蓋骨骨欠損モデルを用い、成膜を行ったポリカプロラクトンを移植する。マイクロCTおよびHE染色所見で,PCL足場材料内に新生骨が生成されることを確認する。また、3Dプリンターでポリ乳酸を用いて吸収性足場材料を作製する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスによって、学会発表ができず旅費が使用できなかった。次年度後半は学会発表を積極的に行い、大学院生への謝金も予定している。
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Research Products
(5 results)