2020 Fiscal Year Research-status Report
臨床研修歯科医師指導用の生体センシング技術による技能教育方法の開発
Project/Area Number |
20K10254
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
伊佐津 克彦 昭和大学, 歯学部, 准教授 (20266167)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 篤司 昭和大学, 歯学部, 教授 (10180861)
馬谷原 光織 昭和大学, 歯学部, 講師 (30384184)
勝又 桂子 昭和大学, 歯学部, 助教 (40611984)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 生体センシング / 技能教育方法 / 位置センサー |
Outline of Annual Research Achievements |
卒前の臨床技能評価ではシミュレーションテストや行動観察記録による客観的評価が行われる.また形成的評価方法として技能教育現場における有用性が知られ、シミュレーション評価は、評価者が直接その場に立ち会う以外に、録画された動画からその能力を評価する試みもある。 体表に貼る位置センサー(MS)で術者の動きを記録できる装置をもちいて、評価用の録画(MV)と比較し、2種類の手技で評価の“注目点”がどのようなものであるか考察した。教育職員3名と研修医1名が計測に参加した。MSセンサーは4点100mm秒単位で9軸(加速度,ジャイロ,コンパス)と姿勢制御指標を記録し.MSとMVを連動させた分析に独自開発のM-Plotterもちいた.モデルA:縫合シミュレーション・モデルにて3センチの切開と同部位の縫合をおこなった.センサーは両・手背と両・肘外側の4箇所に装着された。モデルB:口腔内診査シミュレーション・モデルで左下から右上の順に診査をおこなった.センサーは両・手背、肘部の4箇所に装着した。 MS値とMVを組み合わせた結果、熟達者と研修医で術者ごとの特徴を数値化できた。モデルAでは両手の比較的狭い範囲について分析しており、従来MVで気がつきにくい“注目点”が抽出されやすかった。一方モデルBでは頭部だけでなく広範囲の体幹の動きが計測対象のため大まかな動きを想定してセンサー数3つと、しかし頭部の動きだけでなく背側や両肩の動きはより複雑に両者違いがあり、従来MVで明確にできない点、そしてMS分析を行うべき点であったことが示唆された。MSとMVを連動させた分析は従来MSのみでは気がつきにくい“注目点”を数値化して抽出しており、シミュレーションテストにおける新たな評価点を加えていくことが期待できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
申請者らが開発した現行計測装置群(センサ群)とモーション分析CRBa(Clinical Resident Behavior analysis)プログラムは、左・右両側の手の甲と肘の動き4点を記録し分析する。1/10秒単位で3次元空間の解像度は0.5ミリである。 本研究では、この必要十分な性能を維持しつつ、無意識が表出しやすい頭部、肩、腰など計16箇所で体幹の動きが記録できるように、センサと制御用マイコンを増結し、動作安定化と安全のため専用配線基板・ワンボード化(16センサ)する予定であった。 再生位置赤線をクリック指定した際に、ビデオがそれに追従しない場合があり、また、保存、復元後にグラフ上の情報が表示されなくなる不具合が生じ、その調整に時間を費やしている。
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Strategy for Future Research Activity |
観察を行う手技については、すでに決まっている。同時に旧可視化プログラムCRBaをCRBa16に拡張する。CRBa16に拡張が終了すれば、技能教育において、基本的な手技から発展的まで、網羅すべき手技は多岐にわたるが、判断の幅が少なく手順が明確である、3つの手技「粘膜縫合手技」および「診療時の姿勢A」(歯周ポケット・プロービング、口腔内診査)を取り上げる。大きな動きが連続する新たな項目「歯周ポケット・プロービング」と「口腔内診査」で同様にコツを見つけeラーニング向けのビデオ教材に取り入れることが可能であると考える。
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Causes of Carryover |
令和2年度に、センサと制御用マイコンを増結し、動作安定化と安全のため専用配線基板・ワンボード化(16センサ)し、同時に旧可視化プログラムCRBaをCRBa16に拡張する予定であったが、可視化プログラムの開発に時間がかかり令和3年度に計上する予定である。
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Research Products
(1 results)