2020 Fiscal Year Research-status Report
産学官が連携したオーラルフレイル予防の効果の検証:身体機能や栄養状態への影響
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20K10263
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Research Institution | Kobe Tokiwa Junior College |
Principal Investigator |
福田 昌代 神戸常盤大学短期大学部, 口腔保健学科, 教授 (80530831)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 由紀子 大阪府立大学, 総合リハビリテーション学研究科, 教授 (10269847)
吉田 幸恵 神戸常盤大学短期大学部, 口腔保健学科, 教授 (50269841)
根来 佐由美 大阪府立大学, 看護学研究科, 講師 (50508794)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 産学官 / 地域住民 / オーラルフレイル / オーラルフレイル対策 / 口腔機能向上プログラム |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、①対象者の抽出と②地域住民のオーラルフレイルに関する実態の把握をするという2点について実施する計画を立案していた。①については、毎年10月に行っている大学が主催する地域住対象のイベントにて抽出する予定にしていたが、新型コロナ感染症の影響で中止となった。その後、他の方法で対象者の抽出を試みたが、緊急事態宣言が発令されたことにより、調査自体ができなかった。②については、令和2年度の新たな調査ができなかったことから、令和元年に実施したイベントにて研究に同意の得られた128名(男性35名、女性93名:平均年齢66.3歳±13.3歳)のオーラルフレイルの現状を把握するため、口腔機能6項目(残存歯数、最大舌圧、舌左右運動の速さ、オーラルディアドコキネシス、口腔乾燥、嚥下能力)身体機能6項目(身長、体重、BMI、最大握力、足趾把持力、開眼片足立ち)の測定を行い、口腔機能測定結果を基準値で2群に分け、身体機能との関連性をMann-WhitneyU検定を用いて比較を行った。その結果、128名中すべての口腔機能で低下に該当しなかった人は3名だけであった。年齢を含む身体機能すべてにおいて関係が認められた口腔機能は、最大舌圧であった。低舌圧は健常な咀嚼と食塊形成および嚥下に支障をきたし低栄養の原因とされているが、適切な運動療法で回復が見込めるとの報告があることから、この地域のオーラルフレイル対策として、舌圧のトレーニングが有効であることが考えられた。 この結果を踏まえて、この地域住民に効果的な口腔機能向上プログラムを実践し、その効果を検討していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究対象者の抽出を大学が主催する地域住民対象のイベントにて行うこととしていたが、新型コロナウイルス感染症の影響で中止、高齢者大学におけるイベントも中止など、ことごとく中止となり、調査自体を実施できなかった。そのため、当初計画していた調査項目を増やしたデータを取得することができなかった。また、それにより縦断的に行う予定にしていた調査の開始も翌年に持ち越すこととなっている。しかし、前年の調査データを分析することにより、地域住民の現状が把握できたことにより、今後実施する口腔機能向上プログラムの効果の検討についての具体的な方法が洗い出されたため、研究についての大幅な遅れはないと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルス感染症の影響は続くと思われることから、大規模なイベントでの対象者抽出だけでなく、小規模な場面等でも対象者を確保して調査を進める予定である。 1年遅れてのスタートとなるが、1年目は対象者の抽出と地域住民のオーラルフレイルに関する実態を把握することとしていたことから、後者については以前のデータを分析し、特徴的な項目は把握できたため、残りの対象者の抽出については、今年度から開始することになるが、再度計画を立案して実施する予定にしている。
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Causes of Carryover |
今年度は、新型コロナウイルス感染症の影響により、調査に使用する予定であった消耗品並びに研究協力者への謝金等の支出がなかったことが使用額変更の大きな理由である。また関連学会に参加する予定であったが、学会の中止またはWEB開催により、こちらも使用されなかった。これについては、次年度以降に繰り越し使用する予定である。消耗品は追加して購入する予定である。また大規模施設での調査ではなく小規模施設での調査を回数を増やして行うことから、研究協力者や調査補助員への謝金に充てることとする。統計処理に必要なパソコンと統計処理用のソフトの購入も予定している。また、学会はWEBでの開催も多くなったことから、参加できる学会には積極的に参加する予定にしている。さらに、関連論文や関連図書を多く取り入れて検討する予定にしている。
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Research Products
(2 results)