2023 Fiscal Year Research-status Report
口腔内細菌叢と認知機能、腸内細菌叢および口腔内状態に関する疫学研究
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20K10273
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
松井 大輔 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (20613566)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾崎 悦子 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00438219)
渡邉 功 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10636525)
小山 晃英 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (40711362)
栗山 長門 静岡社会健康医学大学院大学, 社会健康医学研究科, 教授 (60405264)
上原 里程 国立保健医療科学院, その他部局等, 部長 (90276999)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 口腔内細菌叢 / 口腔機能低下症 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は認知機能低下、脳の器質的変化、腸内細菌叢(便検査)および口腔内状態と、唾液中の口腔内細菌叢(16Sメタゲノム解析)の関連を明らかにし、解明を目指すことである。近年、次世代シークエンサーの登場により口腔内細菌叢のメタゲノム解析が可能となり、口腔内に500~700種類生息するといわれている細菌種の構成が判明しつつある。それに伴い、口腔内細菌叢のパターン解析だけでなく、小児う蝕、歯周病、シェーグレン症候群、口腔がん、肥満、腸内細菌叢、脳卒中、認知症等との関連についての報告もされるようになってきた。本研究課題で実施予定の16Sメタゲノム解析は単一菌種の分離・培養を経ずに、微生物集団から直接的にゲノムDNAを網羅的にシーケンスし、含まれる菌種を特定する手法であり、糞便だけでなく土壌や海洋という環境サンプルにも使用されている。試料の環境中にどのような細菌がどの程度存在しているか(系統組成)、どのような遺伝子がどの程度存在しているか(機能組成)を明らかにすることができる。本年度は申請者らが実施したコホート研究で対象者から採取した唾液を用いて、16Sメタゲノム解析により唾液中の口腔内細菌叢の解析を実施した。本研究の対象者は高齢者であるため、高齢者の口腔内細菌叢における細菌種の種類数やパターンだけでなく、う蝕病原菌および歯周病減菌の種類による解析も実施中である。また、口腔内診査のデータを利用し、残存歯数等の口腔内の変化と口腔内細菌叢のパターンについて縦断的な解析や、口腔機能低下症との関連および無歯顎者と有歯顎者との比較も含めた横断的な解析も実施する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和2年度に予定していた口腔内細菌叢の16sメタゲノム解析を全検体終了し、現在ゲノムの解析結果を統計解析中である。そのため、予定通り順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
16sメタゲノム解析が終了した口腔内細菌叢のデータをもとに、細菌叢のパターン解析および疾病との関連についての解析を実施予定である。
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Causes of Carryover |
前年度に予定していた、論文投稿費用および英文校正費用を次年度に繰り越したため。次年度に論文作成費用およびそれにともなう人件費として使用を予定している。
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