2021 Fiscal Year Research-status Report
歯周病進行予知のための口腔内VSC濃度測定による基準値の確立
Project/Area Number |
20K10283
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Research Institution | Matsumoto Dental University |
Principal Investigator |
山賀 孝之 松本歯科大学, 歯学部, 教授 (90345512)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金子 昇 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (00397126)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 歯周疾患 / 揮発性硫黄化合物 / 揮発性硫黄化合物 / プレディクタ / 疫学 / リスクファクター |
Outline of Annual Research Achievements |
口臭のおもな原因物質である揮発性硫黄化合物(VSC, Volatile Sulfur Compounds)は口腔内の歯周病原因菌が産生する。VSCは不快臭を持つとともに生体組織に対する毒性を持つ。したがって,口腔内のVSC濃度は歯周炎進行のリスクファクターになることを先行研究で明らかにした。それを受けて,本研究では口腔内VSC濃度による歯周炎進行予測検査としての可能性を想起した。口腔内VSC濃度は専用の機器を用いて容易に測定することが可能であり,その検査機器も近年開業歯科医院においても普及しはじめている。したがって,口腔内VSC濃度検査は簡便で非侵襲的に歯周炎進行を予測するツールとして有用である。 しかしながら,先行研究では,古いタイプの検査機器を用いたため,個々のVSC濃度を測定できず,健常/歯周炎の重要な指標であるメチルメルカプタン濃度割合が不明であったため,基準値を明確に定義することができなかった。本研究では,単純なVSC濃度のみならず,個々のVSCの構成割合などを加味して,歯周炎進行を予測しうる基準値を明確に定義し,口腔内VSCを有用な予測因子とするためのエビデンスの確立を目指している。 昨年度にサンプル採取の場として当初予定していた大規模疫学調査が新型コロナウイルスの流行により実施が不可能となったため,それに代わる新たな方法を模索した。本年度は,人間ドックの受診者を対象者にするため関連施設の協力が得られることとなったため,新たな研究体制と関係者間との調整に終始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
コロナ禍により変更を余儀なくされた新たな研究体制の構築,および実施関係者および実施施設の所在が遠隔地で,それらとの調整が難航し時間がかかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
新たな分担研究者として新潟大学の金子昇を加えた。さらに,歯科診療室を併設する検診施設における人間ドック受診者を対象として研究を遂行する目途がついたので,本年度,さらに期間を延長して次年度にかけて対象者を募り試料採取をおこなう予定である。
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Causes of Carryover |
試料採取のための調査が実施できなかったため,それにかかる交通費,人件費,試薬および器具購入費に残(余剰)が生じた。実施の目途がついた他施設における試料採取実施により,本年度の予算は順当に消費されると見込まれる。
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