2023 Fiscal Year Annual Research Report
歯周病進行予知のための口腔内VSC濃度測定による基準値の確立
Project/Area Number |
20K10283
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Research Institution | Matsumoto Dental University |
Principal Investigator |
山賀 孝之 松本歯科大学, 歯学部, 教授 (90345512)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金子 昇 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (00397126)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 歯周疾患 / 揮発性硫黄化合物 / プレディクタ / 疫学 / リスクファクター |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は口腔内揮発性硫黄化合物(VSC, Volatile Sulfur Compounds)を歯周炎進行の有用な予測因子とするためのエビデンスの確率である。 新型コロナウイルス感染症の影響により,当初予定していた地域住民を対象とした疫学調査が中止となったため新たな対象者を設定し,回復期リハビリテーションおよび介護医療院併設病院の職員のうち,同意の得られた25名(うち,男性8名,平均年齢34.8±11.2歳)を対象として調査を実施した。調査項目は,質問紙調査,歯科医師による口腔内診査,揮発性硫黄化合物濃度測定,採血である。採取した血液試料からはELISA法によりP. gingivalis(以下,P.g.)に対する血清IgG抗体価を測定した。 対象者の現在歯数は平均29.4±1.4本で,6mm以上の歯周ポケットを有する歯数(以下,6mmPD歯数)およびプロービング時に出血の認められる歯数(以下,BOP歯数)はそれぞれ2.8±1.3本,5.0±5.0本であった。またVSCのうち,硫化水素(以下,H2S)およびメチルメルカプタン(以下,CH3SH)の濃度は,それぞれ624.2±710ppbおよび164.8±314.7ppbであった。次に,P.g.に対する血清抗体価(以下,Pg-Ab)は8±1.9で,5~12の幅であった。 ①-1:H2S濃度,①-2:CH3SH濃度および①-3:H2S/CH3SH比,②-1:6mmPD歯数および②-2:BOP歯数,③:Pg-Ab相互の相関の強さをSpearmanの順位相関係数にて調べたが,いずれも相互に有意な相関関係が認められなかった。 設定した作業仮説に反する結果となった。これは対象者選定の段階で比較的歯周組織の状態が良好かつ口腔清掃意識の高いものが多く,多様な病態,特に重度の歯周炎を有するサンプルを得られなかったことが原因と考えられた。
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