2022 Fiscal Year Research-status Report
Development of oral health evaluation method using resilience of oral microbiota as an index
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20K10285
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Research Institution | Osaka Dental University |
Principal Investigator |
南部 隆之 大阪歯科大学, 歯学部, 講師 (80367903)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 一也 大阪歯科大学, 歯学部, 教授 (10236268)
真下 千穂 大阪歯科大学, 歯学部, 講師 (80368159)
草野 薫 大阪歯科大学, 歯学部, 教授 (80382498)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 口腔細菌 / レジリエンス / 細菌叢解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
う蝕や歯周疾患などの口腔疾患患者に加え,高齢者や口腔状態が良好な被検者も含めた大規模な細菌叢解析が進められてきており,口腔や全身の健康と口腔細菌叢との関連性が明らかになりつつある.その結果,口腔や全身健康の維持・増悪は,特定の細菌ではなく,口腔細菌叢のバランスの変動を伴った口腔環境の変化によって起こる可能性が高いことが示唆されてきた. これらの背景より,我々のグループは独自に構築した細菌叢培養モデルを用いて,細菌叢バランスを疾患型から健康型へと変化させることができる因子や条件の探索を進めている.その実験過程で,使用サンプル毎に細菌叢の変わりやすさに差があることを確認した.これはレジリエンス(生態系の安定性の概念.細菌叢の変化に対する抵抗力との意味で使用)として近年注目されているもので,細菌叢変化に伴った疾患発症に深く関与していると考えられている. 2022年度は,同意の得られた口腔健常者(う蝕や歯周病をもたない若年成人.N=10)より,プラークを採取し,温度や酸素濃度による細菌叢変動データを統計的に解析した.その結果,温度や酸素濃度によって元の細菌叢の維持が困難となる条件の抽出に成功した.また,ディスバイオーシス状態となった口腔細菌叢が,環境を復元することで元に戻ることができるのか解析を進めている.その他,酸素や消毒薬などのレジリエンスに影響を与えている要因の抽出を行っているところである.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
多少の実験の前後はあるが,おおむね当初の計画通りに進捗している.
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度までに得られた結果をもとに,次の研究を進める.1.次世代シークエンシングによる菌叢解析を継続して行う.2.pHや温度,酸素濃度以外のレジリエンスに影響を与える因子の抽出を行う.3.高齢者サンプルを用いた実験を開始する.4.途中までの研究成果を取りまとめ,国内,海外の学会で発表する.
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症によるサンプリング時期の遅れにより,次世代シークエンサー(MiSeq)での解析開始が遅れたため.現在は,順調にサンプリングが進んでおり,最終年度は計画通りのMiSeqによる解析を行う計画である.
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Research Products
(1 results)