2023 Fiscal Year Research-status Report
光トポグラフィーを応用した歯科恐怖症の病態解明と治療効果予測診断システムの新開発
Project/Area Number |
20K10301
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Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
加藤 雄一 日本歯科大学, 生命歯学部, 助教 (70720803)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 聖至 日本歯科大学, 生命歯学部, 准教授 (00350166)
苅部 洋行 日本歯科大学, 生命歯学部, 教授 (50234000)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 眼球運動 / 視線計測 / 歯科恐怖 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の核心をなす学術的問いは「歯科恐怖症に特有のものの見方はあるのか」である。歯科に関わる視覚刺激に対する視知覚パターンを健康成人と歯科恐怖症患者で比較することで、歯科恐怖症の治療効果を判定するための指標を確立し、臨床応用することを目指す。そのためにまず健康成人の視覚刺激に対する視知覚パターンを検討した。 本研究に同意の得られた視力が正常な成人6名(女性2名、男性4名、平均年齢21.2歳)を研究対象者とし、視覚刺激として4種類の画像(ポジティブ、中性、ネガティブ、歯科的恐怖)を用い、眼球運動検査装置(TalkEye Free, 竹井機器工業, 新潟)により眼球運動を測定した。また、5種類の心理検査(SDS:うつ状態、STAI-S:状態不安、STAI-T:特性不安、DFS:歯科に対する恐怖度、DBS:歯科医師に対する信頼度)を実施し、眼球運動パターンとそれらを比較することで、双方の関連性を検討した。 ネガティブな画像に対する眼球運動には3つのパターンが認められた。一般的な不安が強い研究対象者でも歯科的恐怖画像を注視できたことから、歯科的な恐怖は一般的な恐怖とは対象が異なると考えられる。しかし、歯科に対する恐怖度が低いにもかかわらず、特性不安が高い場合には、歯科的恐怖画像が注視できない対象者も存在した。よって、歯科に対する恐怖と一般的な不安の境界を1つの画像や心理検査で分類することは困難である。今後の研究では、歯科的な恐怖に注目しつつも幅広い不安や恐怖、発達障害などの尺度を採用し、提示画像の再検討、眼球運動のより詳細な解析が必要であると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究では健常者と歯科恐怖症患者の眼球運動測定を行う必要があるが、コロナの影響により被験者のリクルーティングが停止していた時期があり、実験が一部滞っている。
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Strategy for Future Research Activity |
現在被験者のリクルーティングを再開している。そのため今後の研究は、必要な被験者を集めることとなる。また、研究実績に記載された結果を基盤として当初の予定された実験を行う予定である。
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Causes of Carryover |
コロナのため被験者のリクルーティングが一時的に休止していたため次年度使用額が生じた。今後は休止していた被験者のリクルーティング費用として使用する予定である。
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