2023 Fiscal Year Annual Research Report
Study on an application of ion-releasing materials as a prebiotics against oral biofilm
Project/Area Number |
20K10306
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
加藤 一夫 愛知学院大学, 歯学部, 准教授 (60183266)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | S-PRGフィラー配合歯磨剤 / プレバイオティクス / 齲蝕予防 / Streptococcus mutans / Streptococcus sanguinis / 口腔バイオフィルム |
Outline of Annual Research Achievements |
ガラスコアの表層に安定化したグラスアイオノマー相を形成させた表面改質型酸反応性無機ガラス(S-PRG)フィラーは、6種類(Al、B、F、Na、Si、Sr)の無機イオンを徐放する特性をもつ。本研究では、S-PRGフィラーを配合した試験歯磨剤のプレバイオティクスとしての有用性を検討した。 S. sanguinis(SS)とS. mutans(SM)をそれぞれsymbiosisとdysbiosisの指標として、S-PRGフィラー抽出液に暴露した口腔バイオフィルム(EB)と未暴露の対照バイオフィルム(CB)の外層、中間および内層の細菌密度を、定量的リアルタイム PCRで分析した。各層での両者の比(SM/SS)は、EBで 0.0359、0.0254および0.0157、CBで 0.046、0.0325および0.0255となり、3層を合わせたEBの比0.0257は、CBの0.0355よりも有意に低下した (p=0.004)。また、EBにおけるAlとSrの濃度は、CBの2.74~4.48倍(p=0.005~0.017)および114.3~146.1倍(p=0.005~0.012) を示した。これらの結果は、S-PRGフィラーが口腔バイオフィルムに対するう蝕予防に向けたプレバイオティクスとして効果を有することを示唆した。 プレバイオティクスの効果に影響するブラッシング時のS-PRGフィラー配合歯磨剤からの無機イオンの溶出速度は、フッ化物とケイ酸は良好な溶出率(推定含有量の20%以上)を示したが、アルミニウム、ホウ酸およびストロンチウムの溶出は限定的(2~3%)で、歯磨剤からの溶出に差がみられた。一方、S-PRGフィラー配合歯磨剤に由来するフッ化物の唾液や口腔粘膜面での停滞性は、フッ化物単体での応用より劣ったことから、洗口液に共存する無機イオンによるフッ化物クリアランスへの影響が考えられた。
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Research Products
(1 results)