2023 Fiscal Year Annual Research Report
パーソナルヘルスコード導入によるメタボリック症候群の予防と進行抑制法の開発
Project/Area Number |
20K10318
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
朴木 久恵 富山大学, 医学部, 協力研究員 (40772330)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
戸邉 一之 富山大学, 学術研究部医学系, 教授 (30251242)
八木 邦公 富山大学, 学術研究部医学系, 准教授 (30293343)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | メタボリック症候群 / 健診 / BMI / 食事解析 / 腸内細菌叢解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
メタボリック症候群は代謝障害の発症に先行する。これを踏まえ本研究では、健康を受ける49人のボランティアの食事を含む詳細な生活習慣アンケート調査、代謝パラメータの解析、採便による腸内細菌叢解析を行った。 平均年齢、BMI、HbA1cはそれぞれ43.5±9.0、23.9±3.9、5.5±0.3であった。ライフスタイルと代謝パラメータの間に明確な相関関係が観察された。腸内細菌叢解析により参加者は3つのエンテロタイプに分類された。1)Prevotella copriグループ、2)Bacteroidesグループ、および3)その他。Prevotella copriグループはランダム血糖値が高く、HDL-Cが低かったのに対し、BacteroidesグループはランダムBG、BMI、および胴囲が低かった。11種の細菌種が代謝パラメータと正または負の相関が認められた。そのうちのFamily Fusobacteriaceae とPrevotella stercoreaの相対存在量は、BMI、空腹時BG、および内臓脂肪量と正の相関があった。対照的に、Family RikenellaceaeとBacteroides uniformis(Bu)は代謝パラメータと負の相関を認めた。Rikenellaceae科の主要細菌であるAlistipes indistinctus(Ali)またはBuを高脂肪食摂取C57BL/6Jマウスに移植すると、同じ食物摂取量でも、体重増加が抑制され、耐糖能および組織学的所見が改善された。 以上をまとめると、本研究の結果は、腸内細菌叢は、健康であっても生活習慣によって変化する可能性があることを示唆している。また、AliやBuなどの腸内細菌は、日本人成人の代謝異常の予防にも貢献する可能性がある。
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