2020 Fiscal Year Research-status Report
The Development of the Flipped classroom for the clinical training on occupational therapy
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20K10330
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
作田 浩行 昭和大学, 保健医療学部, 准教授 (20341985)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増山 英理子 昭和大学, 保健医療学部, 准教授 (90459214)
古賀 誠 昭和大学, 保健医療学部, 講師 (20532823)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 教育 / 臨床実習 / 教育効果 / 反転学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度はプレ研究として,病院等の施設での実習(以下,実習)の前に学内で実施する事例演習課題(以下,演習)を臨床実習指導者(以下,CE)が中心となり作成して実施した.実習後のアンケートから演習が実習の反転学習として高い教育効果を期待できることがわかった. 実習は2年生が対象であり,期間は3週間であった.演習は8名のCEを中心に合計14課題が作成された.演習はCEが直前に経験した事例のプロフィール,評価,利点・問題点,目標,プログラムとその臨床推論によって構成され,倫理的配慮が成された事例の映像が含まれたものであった.演習の手順は以下の通りである.1.CE:事例紹介・課題提示・質疑応答,2.学生:2人1組で事例について検討,3.課題を提出(夕方),4.CE:解説・質疑応答.CEとのやりとりにはオンラインでミーティング・システムを用いた.実習終了時に学生,CE,教員にアンケートを実施した.学生からは演習での学び,演習が施設での実習で役立ったこと,感想・意見について,CEからは演習準備,当日運営,学生の例年との違いについて,教員からは実習後の学内セミナーでの例年との違い,今後の工夫について,自由記述で回答を得た. 結果,ほとんどの学生が演習で「対象者理解のために着目すべき点」や「作業療法士の考え方」などを学び,それらはその後の施設実習でも役立ったと回答した.CEは準備と当日運営は「大変であった」が「教員の補助が良かった」,そして例年の学生と比べ「全体像をとらえようとしていた」などと回答した.また「学生の反応がオンラインではわかりづらい」,「2年生の習熟度を推し量るのが難しかった」との指摘があった.教員からは「事例を通して対象者理解のために必要な情報が何かを知ることに演習の利点があった」,「学生が意欲的に取り組めていた」,「(演習の内容や課題に)統一性がなかった」などの意見が挙がった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
最大の理由は「コロナ禍」の影響で当初予定していたとおりに学内授業および学外実習が進められなかったことにある.遠隔授業等への対応業務に多くの時間を当てることになり,例年と比べ研究活動に充てる時間が激減した.その中で,緊急事態への対応として企画した学内での事例演習課題を臨床実習指導者と作成してプレ研究として実践できたことは,研究実践の責務を果たすことにつながった.
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度のプレ研究で得た知見をもとに,2021年度は2種類の病院等の施設での実習(以下,実習)での事前演習を計画する.また,事前演習の内容を拡充するために当初から計画していたNominal Group Technique(以下,NGT)を,臨床実習指導者を対象に実施して,実習導入時の"つまずき"と解決策について明文化,吟味・検討する.NGTで得られた内容を参考にして事前演習の内容を再構築する.最終年度となる2022年度には,2021年度の成果をもとに事前演習による反転学習を正課科目へ組み込んで実践する予定である.
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Causes of Carryover |
コロナ禍の影響で予定していた物品の購入を延期したこと,参加を計画していた学会が現地開催からオンラインでの開催へ変更したことなどから,予算の執行が停滞してしまった. 2021年度は計画している研究を実践するために事前演習で使用する教材の制作に必要な機材を購入するなど予算を執行する予定である.
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