2020 Fiscal Year Research-status Report
医師の属性は人口地理的分布にどのように関わっているか-縦断的分析-
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20K10332
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
井上 和男 帝京大学, 医学部, 教授 (70275709)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鹿嶋 小緒里 広島大学, 先進理工系科学研究科(国), 准教授 (30581699)
松本 正俊 広島大学, 医系科学研究科(医), 寄附講座教授 (40348016)
安藤 崇仁 帝京大学, 薬学部, 講師 (40761987)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 医師属性 / 女性医師 / 就業地域 / 診療科分布 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は、当初の研究計画では1998・2008・2018年の医師調査ファイルを目的外使用の申請を行い、取得予定であった。しかしながらCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)の流行により、厚生労働省での業務が滞っているため申請作業も行えなかった。したがって、研究課題に関連した先行研究や書籍、Web資料の調査を行い、研究仮説とデザインの検討を行った。 我々の先行研究では、医師の属性としてキャリア早期の就業地域 (非都市部)、プライマリ・ケアの要素を持つ診療科(内科、小児科等)、性別(男性)が、多変量解析では独立して将来の非都市部地域の勤務と関連していた。しかしながら、これらの因子は一方でそれぞれ影響を及ぼしあっている可能性がある。加えて、近年の傾向として女性医師の増加があり、これは将来にわたって持続すると考えられる。したがって、医師属性の中でもまず性別に着目することは、将来の動向を予測するという点からも重要である。 我々が最近調査したところでは、女性医師は男性医師に比していずれの年齢層でも非都市部の勤務が少なかった。一方で、女性医師の割合が高い診療科(皮膚科、産婦人科、眼科、麻酔科など)があることが知られている。加えて性別は不変の因子である。したがって男性および女性医師で前述の非都市勤務と関連する要素(キャリア早期の勤務地と診療科)に着眼した比較分析を行うのが妥当と考えた。さらに、非都市部勤務については細分化し、医師不足地域あるいは地理的に僻遠地に着目した分析が必要であると結論付けた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前述の通り、医師調査データの目的外使用での取得が、現在までにできていない。しかしながら、5年の研究期間における初年度としては、先行研究など既知の知見と解明すべき研究疑問をより明確化することで十分であると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
研究疑問に対する分析結果は数年程度の調査年では変化しないと考えられるので、3時点の調査年を数年戻して分析を行うことも検討している。
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Causes of Carryover |
(理由および使用計画) 当初予定していた、研究者間のオフライン研究ミーティングがCOVID-19のために行えず、次年度以降になった。その分オンラインミーティングを行っているが、詳細な検討や研究進捗と言う面ではオフラインミーティングが有利であり、来年度以降に予定している。
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