2022 Fiscal Year Research-status Report
Development of process-outcome measures for implementation and dissertation in suicide prevention
Project/Area Number |
20K10337
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Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
米本 直裕 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 精神保健研究所 精神薬理研究部, 客員研究員 (90435727)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 自殺予防 / 系統的レビュー / 援助希求行動 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は自殺予防介入のエビデンスを現場に普及、適応する際のプロセス指標、アウトカム指標を開発することが目標である。本年度は、昨年度からの継続として、COVID-19パンデミックの影響下において、メンタルヘルスの専門機関へのアクセスに物理的、心理的な制限がある中でのプロセス指標として、援助要請行動 help seeking behaviorに着目し、系統的レビューを行った。研究結果の一部をアジア自殺予防学会で発表を行った。さらに知見をまとめ、論文を投稿し、Journal of Affective disorder 誌(IF=6.533)に受理され、出版された。論文では、系統的レビューの方法論に従い、4つの文献データベース(MEDLINE、EMBASE、CHINAHL、PsycINFO)を検索した。合計41件の研究(観察研究38件、質的研究2件、ランダム化試験1件)がレビューの対象となった。ほとんどの研究が、援助要請行動の遅延、減少、または失敗を報告していた。研究は、医療関係者、地域住民、病院、子どもや青年、オンライン参加者、妊婦、親密なパートナーからの暴力を経験した人、摂食障害の人等で行われていた。結論としてCOVID-19パンデミックにおいて、精神科医、メンタルヘルスの専門家に助けを求めるのが遅れたことで、患者を適切な治療やケアにつなげる機会が失われた可能性があることを示した。また、別のプロセス指標として、孤独感 Lonelinessと自殺行動の関係に着目し、系統的レビューを行い、日本自殺予防学会にてポスターで発表を行った。現在、データ整理や分析を継続して行っている。最新の情報にデータの更新を行い、国際誌に投稿を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
COVID-19の影響によって、今年度においても国際会議や学会がオンラインでの参加になるなどの影響があった。この状況下においても、円滑にコミュニケーションをとるため、オンラインの情報ツールを活用し、引き続き研究を予定通り進捗することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
プロセス指標の候補をさらに探索する予定である。先行研究により特に自殺リスクが高い対象や状況を検討、考慮し、指標の候補を検討したい。また本研究では、COVID-19のパンデミック終息後もその影響が継続することを考慮し、関連する知見を得られるような研究を行うことを検討している。対人コミュニケーション方法の違いやオンラインでのコミュニケ―ションでも役に立つ知見を見出すことができるように工夫したいと考えている。
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Causes of Carryover |
論文の英文校正、掲載料として確保していた予算が、ほとんど修正がなく論文が受理され、また掲載料も不要な雑誌に掲載されたため、差額が生じた。
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