2020 Fiscal Year Research-status Report
空間認知能力トレーニングは内視鏡外科医の手術技術を向上させる
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20K10346
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
服部 稔 広島大学, 医系科学研究科(医), 助教 (10584683)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
惠木 浩之 愛媛大学, 医学部附属病院, 准教授 (20403537)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 内視鏡外科手術 / 空間認知能力 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度では新しい空間認知能力トレーニングを開発し医師の空間認知能力が実際に向上するか検討することを目的とした。空間認知能力の課題の選定を先行研究より行い,6種類の課題15題ずつ計90問題を策定した。2020年度はCovid-19の拡大により医師を対象とすることが困難であったため,この空間認知能力トレーニングの妥当性の検証を学生を対象として検討した。この課題前後で空間認知測定課題であるメンタルローテンションテスト(Shepard and Metzler, 1971)の成績が向上した場合,空間認知能力トレーニングの構成概念を満たしていることをした。その結果,我々が作成した空間認知能力トレーニングは有意に学生の空間認知能力を高めることが明らかとなった。 次に我々が開発した内視鏡外科手術技術評価装置HUESAD(Hiroshima University Endoscopic Surgical Assessment Device)を用いて,実際に空間認知能力トレーニングによって内視鏡外科手術技術が向上するのか検討を行なった。同様に実験対象者は学生を対象とした。HUESADでは内視鏡外科手術技術を,鉗子のスピード,鉗子のぶれ,鉗子を狙い通りのところに操作する正確性の3つの観点から評価可能である(Egi et al., 2005)。そこで空間認知能力向上によって,内視鏡外科手術技術のどのような要素が向上したのか比較試験を用いて検討を行なった。本研究の結果,空間認知能力トレーニング群において統制群よりも内視鏡外科手術技術の正確性が向上したことが明らかとなった。さらに,空間認知能力の向上率と内視鏡外科手術技術の向上率に相関関係が認められることが明らかとなった。このことは空間認知能力トレーニングによる空間認知能力の向上が内視鏡外科手術技術に寄与したことを明らかにしたと考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
Covid-19の拡大により医師を対象とした実験は計画どおりに実施できなかったことが原因であると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
医師を対象とした実験は引き続き困難になる可能性が高いことから,2022年度に実施予定されていた空間認知能力トレーニングのアプリケーションの開発を早期に着手することとした。空間認知能力トレーニングをオンラインでも実施できるようにする必要があると考えている。また合わせて空間認知能力評価・内視鏡外科手術技術を評価するための機械学習法についても現在開発を進めている。
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Causes of Carryover |
Covid-19の感染拡大に伴い実験が計画通り進まなかったことから実験に関する費用が計画どおりに使用できなかった。2021年度は計画を前倒し,アプリケーション開発・評価測定法などに使用していく方針である。
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