2021 Fiscal Year Research-status Report
空間認知能力トレーニングは内視鏡外科医の手術技術を向上させる
Project/Area Number |
20K10346
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
服部 稔 広島大学, 医系科学研究科(医), 助教 (10584683)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
惠木 浩之 愛媛大学, 医学部附属病院, 准教授 (20403537)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 腹腔鏡下外科手術 / 空間認知能力 / HUESAD |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度では2020年度に行った内視鏡外科手術技術評価装置HUESAD(Hiroshima University Endoscopic Surgical Assessment Device)と空間認知能力について機械学習を用いて検討を行った。 研究方法 エキスパート22名からなる経験豊富な外科医グループ(腹腔鏡下手術100例以上実施)と医学生123名からなる医学生グループに分けた。HUESADを使用し,動作データの解析には、3つの動作解析パラメータ(空間認知能力と関連する鉗子のずれ,鉗子の速度,鉗子の正確性)を用いた。機械学習を用いた外科医の分類には、Random Forest、K-star、Support vector machine、Multilayer perceptron、Linear discriminant analysisを使用した。また、分類器の性能を評価するために、10-fold交差妥当性の検証を行った。 結果 HUESADによる機械学習ではRandom Forestがより正確で高いAUCを示した。10-fold検証では、Random Forest, K-Star, Support vector machine, Multilayer Perceptron, Linear discriminant analysisの平均精度は、0.951, 0.929, 0.898, 0.897 であった。 結論 HUESADを用いて技能分類をしたところ、提案した3つの手法によって高い精度が得られた。動作解析によるこれらの分類法は、腹腔鏡手術の技量について外科医の手術能力を客観的に分類する手段を提供するものであった。HUESADは術者の空間認知能力を測るシステムでもあることから空間認知能力が術者の技能に大きく影響を及ぼす因子であることが明らかとなった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2020年度はcovid-19により医師を対象とした実験に困難を有した。2021年度は得られたデータを用いて空間認知能力評価・内視鏡外 科手術技術を評価するための機械学習法についても開発を行うことができた。このことはおおむね計画通り実施できたと考えている。 しかしながら前倒しで開発していた空間認知能力トレーニングのアプリケーションの開発がまだ終わっていない状況である。未だcovid-19が拡大していることからトレーニングアプリケーションをオンラインでも実施できるように開発する必要があると考えている。
|
Strategy for Future Research Activity |
空間認知能力トレーニングのアプリケーションの開発が遅れているため,アプリケーション開発をしている株式会社ビーライズに協力を依頼し開発速度を早めることを検討している。また実際のトレーニング評価について機械学習の精度を高めるため生体センシングの数を増やして検討を進めている。この検討には神戸大学の寺田教授に協力していただきセンシングの効率性などを高めている。これらの技術は内視鏡外科手術技能評価だけでなく,ロボット支援手術評価などにも応用可能であると考えている。
|
Causes of Carryover |
2021年度はCovid-19の感染拡大に伴い実験が計画通り進まなかったことから実験に関する費用が計画どおりに使用できなかった。アプリケーショ ン開発・評価測定法などに使用していく方針である。
|