2022 Fiscal Year Annual Research Report
空間認知能力トレーニングは内視鏡外科医の手術技術を向上させる
Project/Area Number |
20K10346
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
服部 稔 広島大学, 医系科学研究科(医), 助教 (10584683)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
惠木 浩之 愛媛大学, 医学部附属病院, 准教授 (20403537)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 内視鏡外科手術 / HUESAD |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度では2020年度に開発した空間認知能力トレーニングが内視鏡外科手術にどのような影響を与えたか検討を行った。評価装置には2021年度に妥当性を検討したHUEDAD (Hiroshima University Endoscopic Surgical Assessment Device)を用いた。内視鏡外科手術技術の向上率による比較を行った結果,鉗子操作の正確性について空間認知能力トレーニング群(N=11)に有意な向上が認められた(p=0.029)。鉗子操作のスピードや鉗子操作のズレp=0.581においては有意な差は認められなかったp=0.999これにより空間認知能力トレーニングは空間認知能力の向上に妥当なトレーニングであることが示唆された。 さらに空間認知能力トレーニングの効果を詳細に検討するため,空間認知能力トレーニング群(N=11)を空間認知能力(MRT testの正答率/反応時間)の中央値を基準に高群(N=5),低群(N=6)に分け内視鏡外科手術技術評価のための空間認知能力トレーニングの比較を行った。その結果,両群にHUESADの成績向上が見られたが,主として鉗子操作の正確性について特に低群において大きな向上が認められた。このことから内視鏡外科手術における空間認知能力トレーニングは空間認知能力低群により有効であることが示された。今後は標準的な内視鏡トレーニングであるドライボックスによるトレーニングと空間認知トレーニングを併用することで,より効率的なトレーニングを実施する必要がある。また本研究は学生を対象としていることから,医師を対象として空間認知能力トレーニングの効果を検討する必要がある。
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