2020 Fiscal Year Research-status Report
地域包括ケア推進により医療・介護連携で生じやすい医療・介護事故の特定と予防法開発
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20K10355
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
藤田 茂 東邦大学, 医学部, 講師 (50366499)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 邦愛 東邦大学, 医学部, 准教授 (50288023)
瀬戸 加奈子 東邦大学, 医学部, 助教 (50537363)
畠山 洋輔 東邦大学, 医学部, 助教 (80830182)
大西 遼 東邦大学, 医学部, 助教 (00845571)
長谷川 友紀 東邦大学, 医学部, 教授 (10198723)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 介護保険 / 事故 / ヒヤリハット / 連携 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々の先行研究(平成29~令和元年度 基盤研究(C)「医療機関と介護保険施設間の連携促進と安全確保を目的とした患者情報共有ツールの開発」)で得たデータを解析し、介護保険事業所が他の事業者との利用者・患者情報の交換・提供の不足や不備に起因した事故やヒヤリハットの様態を明らかにした。事故やヒヤリハットの原因となった情報項目は、①薬剤、②利用者の基本情報、③認知症・社会認識が多かった。薬剤に関する情報伝達・共有に関する事故・ヒヤリハットでは、情報提供側の事業所の不具合様式(Failure Mode)として、「医療機関が居宅サービス事業者に薬剤情報(退院時処方、処方変更、追加・中止等)を提供しない(未伝達)」「事前に薬剤情報を提供した時から、与薬内容に変更があったが、最新の薬剤情報を提供しない(未伝達)」「施設サービス事業者に薬剤情報(処方内容・変更、与薬方法、服薬状況等)を提供しない(未伝達)」等が多く挙げられた。それらの不具合様式が、情報受け手側の事業所の業務へ及ぼす影響として、「薬剤や容量を変更せずに与薬する」「薬剤を追加・中止しない」「紹介元に正確な薬剤情報を問い合わせる」等が挙げられた。利用者(患者)への影響としては、「与薬の開始が遅れる」等の影響があると考えられた。 これらの解析に基づき、全国の介護老人福祉施設、介護老人保健施設、訪問介護事業者、訪問看護事業者の連携担当者または管理者を対象にしたアンケート調査の調査票の開発に着手した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、パイロット調査を中止するなど、研究活動に一部支障をきたしたが、先行研究で得たデータの解析は順調に進み、新たな調査に向けた準備を進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度は、開発した調査票を用い、全国の介護老人福祉施設、介護老人保健施設、訪問介護事業者、訪問看護事業者の連携担当者または管理者を対象にした郵送法によるアンケート調査を行う予定である。倫理審査を含め、必要な手続きを進める。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、研究活動の開始が遅れ、統計処理を要する作業の開始も遅れた。研究開始時にパソコンおよび統計ソフトウエアの購入を予定していたが、統計ソフトウエアの最新版の購入を希望するため、それらの購入を令和3年度まで延期した。 研究分担者は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による研究活動の縮小により、令和2年度に予定していた国内学会への参加を取りやめるなどしたため、研究費を使用しなかった。令和3年度は研究に必要な書籍等の消耗品を購入する予定である。
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