2022 Fiscal Year Research-status Report
非薬物療法の効果量推定を阻害する対照群の異質性に関するシステマティック・レビュー
Project/Area Number |
20K10363
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Research Institution | Morinomiya University of Medical Sciences |
Principal Investigator |
山下 仁 森ノ宮医療大学, 医療技術学部, 教授 (10248750)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増山 祥子 森ノ宮医療大学, 医療技術学部, 准教授 (10454688)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 対照群 / 非薬物療法 / 効果量 / 異質性 / システマティック・レビュー / 臨床試験 / ランダム化比較試験 / 鍼治療 |
Outline of Annual Research Achievements |
対照群設定が異質である非薬物療法の代表として鍼治療を取り上げ、日本で患者を対象として実施されたランダム化比較試験(RCT)のシステマティック・レビューを実施した。 選択基準・除外基準に基づき、1960年代1件、1970年代6件、1980年代9件、1990年代5件、2000年代40件、2010年代47件、合計108件のRCTが選出され、評価対象となった。対照群の種類は、1990年以前は異なる鍼手法が、2000年代には偽鍼・偽経穴が多く、2010年代には両者がほぼ同数でそれぞれ3分の1を占めていた。対照群と比較して有意差がなかったネガティブな試験は全体の27%であった。 コクランのバイアスリスクツールによる評価では、「ランダム配列の生成」のみ1990年代以降に改善、「評価者の盲検化」については2000年代以降にやや改善していたが、「割付けの隠蔽」「患者の盲検化」「選択的アウトカム報告」については、あまり変化していないか情報不足により評価困難であった。試験の規模は2010年代に至るまで小さいままであり、サンプルサイズの中央値が最も大きかった1990年代でも41だった。 (Masuyama S, Yamashita H. Trends and quality of randomized controlled trials on acupuncture conducted in Japan by decade from the 1960s to the 2010s: a systematic review. BMC Complementary Medicine and Therapies. 2023;23:91. doi.org/10.1186/s12906-023-03910-3)
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2020年度から2021年度にかけて、新型コロナウイルス感染症拡大による授業スタイルの変更への対応(オンデマンド資料作成など)に多くの時間を費やしたため、遅ればせながら2022年度に最初のシステマティック・レビューの論文化が実現したが、約2年分の作業が遅延したまま進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
補助事業期間延長承認申請を行い、遅延しながらも当初の申請書に記載した計画通りに進行する予定である。
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Causes of Carryover |
2020年度から2021年度にかけて、新型コロナウイルス感染症拡大による授業スタイルの変更への対応(オンデマンド資料作成など)に多くの時間を費やし、1年半~2年遅れた状況で作業が進行しているため。
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