2021 Fiscal Year Research-status Report
乳がん女性のサポート・ニーズとサポート・グループ参加バリアの経時的変化の検証
Project/Area Number |
20K10365
|
Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
山内 圭子 久留米大学, 医学部, 講師 (50304514)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 充代 福岡大学, 医学部, 准教授 (60320389)
原 頼子 久留米大学, 医学部, 教授 (60289501)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 乳がん / サポート・ニーズ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、乳がん患者と乳がんサポート・グループ運営者の二つの視点から、患者が必要とするサポートと利用できるサポートとの隔たりを検証することを目的として、乳がん患者とサポート・グループ運営者の両者へのインタビューを計画していたが、感染拡大に伴い、乳がん患者へのピア・サポートが新型コロナウイルス感染拡大でどのように影響を受けているかの実態調査へと変更した。 調査対象は乳がんの患者会とした。J-POSH日本乳がんピンクリボン運動の「全国の乳がん患者会」、日本医療・健康情報究所の「乳がん患者会全国マップ」および、がん診療連携拠点病院に於ける「患者サロン」と「患者交流会」から乳がんに絞った患者会を抽出した。また、各県のホームページからがん患者会の情報を閲覧し、乳がんを対象とした患者会を抽出した。その他、乳がん患者会で検索した重複していない患者会を抽出し、連絡先が分かる279団体を調査対象とした。調査期間は2021年の10月~11月で、125の回答(回収率44.8%)を得た。回答した125団体のうち41団体(32.8%)は相談支援を実施していなかった。実施している84団体のうち、相談数が増えたのは10団体、減ったのは46団体であった。2020年以降に増えた相談者で最も多かったのは術後抗がん剤治療、放射線治療の途中の女性であり、最も多い相談手段は電話によるものであった。また相談内容で増加したものに、治療に関すること、心配・不安、仕事や経済的なことが挙げられた。一方、減少した相談者で最も多かったのは主要な治療を終えた女性であり、最も多い相談手段は対面による相談であった。減少した相談内容は手術以外の治療に関することや、心配・不安が挙げられたが、その数は増加に比べ少なかった。今回の調査は、全体の相談件数は減っていても心配・不安等、増加している相談内容があることを明らかにした。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2022年2月以降からの新型コロナウイルス感染拡大のため、研究方法を患者とサポートグループ運営者へのインタビューからアンケート調査に切り替えた。そのため、当初の計画に含まれていない作業、調査項目の検討等が必要であった。
|
Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルス感染前の2019年に、乳がんの女性を対象にしたインターネット調査を行った。自由回答調査で、乳がんに診断されてから調査時現在までに、病気になったために決めた内容をきいた。その結果、6割以上の決定は治療に関連のないものであった(Asian Pac J Cancer Prev. 2021. 22(9):2909-15)。2022年度は、同様のインターネット調査を行い、乳がんと診断された女性の決定の内容が新型コロナウイルス感染拡大前後で変わっているかどうか、また、乳がんり患が新型コロナウイルス感染拡大後の決定にどのように影響しているかを検証する。
|
Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染拡大のため、インタビュー調査から郵送のアンケート調査へ変更した。アンケート調査実施に伴い、物品費(調査票送付用封筒)、通信運搬費(切手)が生じたが、インタビュー調査に必要な経費を大きく下回った。令和4年度はインターネット調査の実施をマーケッティング調査会社に依頼する予定であり、令和3年度の未使用分の予算はその支払いに使用する。
|