2021 Fiscal Year Research-status Report
科学的根拠に基づいた病院手術部門の建築計画指針の開発
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20K10367
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Research Institution | National Institute of Public Health |
Principal Investigator |
小林 健一 国立保健医療科学院, その他部局等, 上席主任研究官 (80360692)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石橋 達勇 北海学園大学, 工学部, 教授 (50337094)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 病院 / 建築計画 / 手術部門 / ガイドライン |
Outline of Annual Research Achievements |
病院の手術部門の計画においては、適切な清潔管理、効率的な運用管理、技術革新への対応など特段の配慮が求められる。米国・英国等では、手術部門の建築計画指針が整備されているが、わが国においては該当するものがなく、施設整備における手がかりが得られない状況に置かれている。そこで本研究では、手術部門を対象として、機能的かつ効率的な科学的根拠に基づいた手術部門の建築計画指針を開発することを目的とする。 本研究では、文献調査、訪問ヒアリング調査による運用管理の実態把握、および建築図面の分析等によって研究を遂行する計画としている。 しかしながら令和3年度は前年度に引き続き、新型コロナウイルス感染症の流行により、病院で大きな負担が生じていることから訪問調査等を実施することが困難であったため、文献調査のみを実施した。具体的には、公表されている病院の平面図から手術部について読み取り、手術室数、面積、等について調査した。また手術部と関連が深い救急部門・集中治療部門・中央滅菌材料部門等との位置関係について調べた。 手術室数と手術部面積の関係については、概ね100~300㎡/室に分布しているが、300㎡/室を超える事例もみられた。病床規模別の手術室1室あたりの手術部面積の平均値は、100~199床の事例は167.2㎡/室、200~299床の事例は176.9㎡/室、300~399床の事例は178.9㎡/室、400床以上の事例は187.5㎡/室となり、病床規模が大きくなるに従い1室あたりの面積が大きくなる傾向であることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症の影響により、病院や病院設計者を対象としたヒアリング調査・現地視察等が実施できず、当初の研究計画から遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度および令和3年度は、文献調査、建築図面の収集・分析等を中心に実施してきた。今後、新型コロナウイルス感染症の流行が収束した際には、病院への訪問ヒアリング調査および設計者へのヒアリング調査を実施する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の影響により、当初計画していた病院における現地調査が実施できなかったため、次年度使用額が生じた。次年度は感染状況を考慮しながら、建築図面の収集・分析等の研究事項に加えて、病院における現地調査を実施する計画である。
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