2020 Fiscal Year Research-status Report
全国の救急搬送患者の病院選定・決定までの連絡回数と現場滞在時間の関連
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20K10373
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
山田 直樹 福井大学, 学術研究院医学系部門(附属病院部), 助教 (00724791)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 救急搬送 / 現場滞在時間 / メディカルコントロール |
Outline of Annual Research Achievements |
病院前の研究は蘇生のデータを使用されている場合が多くあり、世界を席巻している。日本のデータベースが世界的にも認められていることを認識した。しかし病院前全体のデータベース研究はまだ数が少なく、情報交換ができる研究者も少ないことが判明した。 病院前データベース構築のため、総務省消防庁への問い合わせを開始した。メディカルコントロールの情報については限定されていることがわかり、データベース構築にあたっては工夫が必要と考えられた。エクセルベースで各地のメディカルコントロールの構成メンバーや内容、その頻度を主要因として解析するために、消防庁とデータベース作成の仕組み作りから必要とである判断した。 日本の病院前データ(救命士による)は、多岐にわたる項目があり、質の高いデータベースがあることがわかった。各地の消防にコードが割り振られ、記載項目・観察項目が100項目を超え、年々増加傾向であることを確認した。多くのデータが収集されているが、外れ値や欠損値も散見された。そのため、先行研究にあたり、交絡因子の取り扱い、外れ値、欠損値の取り扱いなどを学んだ。国内学会参加により、情報収集することが出来た。院外の研究協力者とも情報を共有し、参考文献もシェアすることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
コロナ禍により、現地での学会参加は難しく、web参加が多い。人的交流という意味ではマイナスであり、病院前救急に明るい先生方との議論ができていない(日本救急医学会、日本臨床救急医学会ともにweb開催であった)。同様に院外で活躍されている研究協力者ともコミュニケーションが疎になってしまい、有意義な議論ができていない。 コロナウイルス感染症患者の受け入れ、DMAT隊員としてのクラスター施設への介入、県職員、保健所職員と連携しての病院選定業務と普段の診療に加えてこれらの業務が重なり、研究にさけるエフォートが明らかに減少している。自施設の人員リソースを上手に活用して研究エフォートを上げる努力をしていく。
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Strategy for Future Research Activity |
病院前のデータ解析に詳しい研究者は少なく、今後も人的なネットワーク構築に向けて継続して学会に参加する。2021年6月10日にも日本臨床救急医学会が開催され、全国のメディカルコントロール協議会がweb開催されるため出席予定である。 日本の病院前データ(救命士による)は、多岐にわたる項目がありるが、データ量は膨大で、欠損値やや外れ値の取り扱いをどのようにするか、どの項目を交絡因子として取り上げるかといった議論は慎重になされるべきと考えている。研究協力者はこの点について詳しいため、積極的にコミュニケーションをとっていく。 コロナウイルス感染症の影響で救急車の発熱患者の不応需をマスコミでもよく耳にするようになった。現場滞在時間は伸びており、病院連絡のための電話回数もうなぎのぼりであることは想像に難くない。コロナ禍のデータも含めて分析を行う。 Webでの仕事を充実させるツールが整備されつつあり、特にZoomはweb会議システムとしての市民権を得ている。Professional版を購入し、他県にいる研究協力者と遠隔で時間を気にせずに議論できる体制づくりに努める。
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Causes of Carryover |
研究協力者との会議が現地でできなかったため、次年度使用が生じた。次年度は、Zoomなどによる遠隔会議を計画しているので端末やソフトウェアの購入を予定している。
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