2022 Fiscal Year Annual Research Report
薬剤師の職能としての残薬調査および調整に関する取り組みについての解析
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20K10378
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
島添 隆雄 九州大学, 薬学研究院, 准教授 (10202110)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 大介 九州大学, 薬学研究院, 講師 (00403973)
川尻 雄大 九州大学, 薬学研究院, 助教 (30621685)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 残薬 / 節薬バッグ運動 / 医療用麻薬 / 廃棄 / 降圧薬 / 認知症 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、まず、墨田区薬剤師会(墨田区薬)および大分市薬剤師会(大分市薬)と協力して節薬バッグ運動を継続した。その結果、残薬は処方された全薬剤の20%程度あることが明らかになった。墨田区薬の方が残薬数、金額ともに大分市薬より若干多かった。これは、墨田区薬の方が大分市薬に比べて処方日数が若干長く、また抗リウマチ薬など薬価が高い薬剤が多く処方されていることに起因すると考えられる。また、両市において降圧薬について検討したところ、アンギオテンシン受容体拮抗薬に比べるとベータ遮断薬が有意に飲み忘れが多いことを明らかにした。1日の服用回数が多いほどアドヒアランスは悪くなった。また、処方薬剤数は少ない方がアドヒアランスは悪かった。さらに、認知症薬、パーキンソン氏病薬についても検討を行った。認知症薬は、他の薬に比べてアドヒアランスが良かった。また、処方薬剤数が5剤i以下の患者のアドヒアランスが悪かった、これは、疾患を軽視している危険性が原因となっていると考えられる。 次に、医療用麻薬の廃棄について、熊本市および福岡市で解析した。熊本市の結果では、保険薬局や卸業に比べ、病院などの医療機関が廃棄が多いことが明らかになった。福岡市ではオキシコンチン錠の廃棄が最も多かった。廃棄理由としては、未調剤、転院、死亡などが多かった。薬剤としてはMSコンチン錠の廃棄が多く、これは薬物乱用防止のためにMSコンチンTR錠の発売によるものであると考えられる、両市の廃棄額を全国レベルに換算すると、6~7億円程度廃棄されていることが明らかになった。MSコンチン錠など包装単位の大きい麻薬を小包装化することにより、有意に廃棄を減らすことができることになった。これらの結果は、YAKUGAKU ZASSHIに投稿し、近日中に掲載予定である(in press)。
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Research Products
(3 results)