2022 Fiscal Year Research-status Report
電子カルテ情報を利用した血液培養実施状況及び菌血症患者予後の網羅的解析
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20K10380
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
岡本 真一郎 熊本大学, 病院, 特任講師 (20419633)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 血液培養 / 感染対策 / 抗菌薬適正使用 / 医療情報システム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では入院患者の体温記録を医療情報システムより網羅的に抽出することにより入院患者の病院内発熱の頻度を算出し、病院内発熱と菌血症の関連について、1)発熱イベント発生時に入院患者の血液培養検査が適正に実施されているかを発熱イベント発生に対する血液培養実施率で評価し、医療水準を反映しうるより客観性の高い管理指標の算出すること、2)発熱イベント発生から血液培養検体採取までの期間を算出し、血液培養実施タイミングの適正度について血液培養検体採取タイミング別の血液培養検査の陽性率、薬剤耐性を含む分離同定菌のプロファイル、および患者転帰の比較検討を行うこと、3)発熱イベント発生・血液培養陽性と手術、内視鏡等の侵襲的検査を含むリスク要因との関連性について解析すること、4)さらにこれらの解析結果より電子医療情報から血流感染症リスク患者をより早期にスクリーニングしより適正な血液培養実施を可能とするような指標を見出すこと目的としている。 令和4年度は発熱イベント、血液培養検査実施及び検出菌情報、手術、内視鏡検査のデータ収集を完了し関連解析を進めた。症例全体では発熱イベント発生日からの初回血液培養採取期間が長い例で多剤耐性菌、真菌の検出リスクが高い傾向が示されており、全身麻酔手術、内視鏡検査などの侵襲的検査の実施情報等、他の因子との関連性検討を進めている。一方で、血液培養検出菌のうち汚染菌の判定について、当初事前定義に基づく自動判定を用いていたが、臨床的判断による判定とした場合との汚染率の乖離についても検討する必要が生じ、血液培養陽性例の追加解析に時間を要した
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2022年度も引き続き新型コロナウイルス感染症流行による業務負担が大きく、追加情報収集の必要性も生じ、十分な研究時間を確保することができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
後方視的解析に必要なデータ集積は完了しており。引き続き集積データからの発熱イベント、血液培養陽性とその他関係因子との関連性解析を進める。
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Causes of Carryover |
令和2年度以降新型コロナウイルス感染症流行拡大が続き、感染対策上の問題と新型コロナウイルス感染症患者対応業務の影響により、移動を伴う学会参加や情報収集のための出張が困難であったこと、研究進捗の遅れにより成果発表が先延ばしになったことにより、主に旅費の支出が当初計画より激減したため次年度使用額が生じている。次年度使用額については情報収集、成果発表等への学会参加費用ならびにデータ解析進行に必要な物品購入費用等に充てる予定である。
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