2020 Fiscal Year Research-status Report
電子カルテ設計構想の見直し:臨床的利便性とデータ収集効率性の両立をめざして
Project/Area Number |
20K10387
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
松本 聡子 帝京大学, 医学部, 講師 (10422354)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉田 匡聡 東京医療保健大学, 医療保健学部, 臨床教授 (10833668)
渡邊 清高 帝京大学, 医学部, 准教授 (80422301)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 医療情報 / 電子カルテ / 臨床指標 / Clinical Indicator / Quality Indicator / 多職種連携 |
Outline of Annual Research Achievements |
医療の質を系統的に改善・保証するための臨床指標は、医療情報をデータベース化して算出する。電子カルテは医療情報の重要なデータ源であるが、電子カルテは臨床記録を主な目的として設計されているため、データベースシステムとしては様々な限界が存在する。電子カルテから抽出したデータの二次利用によりデータや臨床指標を用いた品質保証と医療安全を進めるためには、この限界に対する対処が必須である。本研究では、わが国の主要な電子カルテベンダーのカルテについて総合的に検討を行い、ベンダーごとの電子カルテの特徴や電子カルテに施したカスタマイズの内容の違いを超えた普遍的な課題を洗い出し、電子カルテからデータ抽出を行う際の限界への対処法を見出すことを目的としている。2020年度は以下の2点について取り組み、学会発表等を行った。加えて、他ベンダーの電子カルテに関する情報収集も開始した。
1.NTT東日本関東病院における電子カルテ(日本IBM)から臨床指標用データを抽出する際、どのような状況下でどのような対処を要するかを整理・分類した。
2.NTT東日本関東病院において医療情報分析担当者(※臨床指標・データ分析を担当)と医療情報システム担当者(※電子カルテからの情報抽出を担当)の連携不足(ミスコミュニケーション)により「臨床状況に正確に対応するデータ抽出方法の検討」が不十分となったために誤ったデータが抽出された事例を抽出した。その上で、それらの事例に対する対処法について、整理・分類した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
NTT東日本関東病院の電子カルテ(日本IBM)に関しては、データ抽出を行う際の限界およびその対処法に関する検討・整理・分類を概ね順調に行うことができた。検討・整理・分類を行った結果については、2020年度内に学会発表行った。現在、それらの内容の一部についてまとめ、2021年5月末日までの論文投稿を目指し準備を進めている。 上記に加え、NTT東日本関東病院以外(日本IBM以外)の電子カルテに関する情報収集も2020年度内から開始しており、それらの内容については2021年度に学会発表を行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
NTT東日本関東病院の電子カルテ(日本IBM)からのデータ抽出を行う際の限界およびその対処法に関する検討・整理・分類を行った結果のうち、初回の投稿論文(※2021年5月末日までに投稿予定)内で言及できなかった部分についてまとめ、2021年度内に別途論文投稿準備を行う予定である。 日本IBM以外のベンダーの電子カルテの情報収集については、2021年度も引き続き行う。情報収集を発展させた上で、共通して見られる課題の抽出およびその解決方法について検討を進める。検討の結果については、2021年度内に学会にて発表を行う予定である。
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Causes of Carryover |
コロナウイルス感染拡大の影響により、参加を予定していたいくつかの学会への参加(演題登録)を断念したため、旅費の支出が当初の予定よりも少なくなった。2021年度の学会参加および論文投稿費用として使用予定である。
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